南ア産の「オリーブオイル」は意外と侮れない 日本でもそのうち、お馴染みになるかも
南アフリカがオリーブオイルの産地だと言われても、ピンとこないだろう。だが、南アのオリーブオイルは同国産のワインと同様、世界的に有名になりつつある。
南アのオリーブオイルの約90%は、ぶどう畑にオリーブ畑が隣接する風光明媚な渓谷を抱える西ケープ州ないしは、そのはるか北にある半砂漠地帯のカルー盆地で生産されている。
業界団体SAオリーブのニック・ウィルキンソン会長は「過去8年間で南アのオリーブオイル生産は倍増し、年間240万リットルに達した」と語る。ウィルキンソン氏とその妻のブレンダさんが経営する中規模製造業者リオラルゴ社の農場は、ケープタウンから車で1時間半の場所にある。
産業規模は小粒だが品質は高い
南アのオリーブオイル業界は1950年代にイタリア移民が創設。現在は生産業者数が160と小規模なものの、品質は総じて高い。リオラルゴ社の製品は2016年に日本とロサンゼルスのコンテストで金賞を受け、ニューヨークでの国際コンクールでも最優秀賞に輝いた。
南ア産のオリーブオイルのほとんどは上質なエキストラバージンだ。ウィルキンソン氏は、「二次生産に回すほどの量がないため、品質も下がらない」と説明する。大手の1、2社を除けば、生産者はオリーブの実を収穫してすぐ、加工に回す。