なぜトヨタ式片づけは大きな効果があるのか

心理的負荷を軽くしてあげるのがコツ

捨てることの重要性が頭では理解できても、実際に行動に移す際には抵抗を覚える人は多いかもしれません。しかし整理を行う際には、「何となくものを捨てづらい」の背景にある理由をうやむやにせず、しっかり対応する必要があります。

ものを捨てられない理由を直視する

まず、「ものを捨てられない」理由を考えてみましょう。第一に、人はまずいものは隠したい・目にしたくないという心理を持っています。小学生の時に、点数の低いテストをランドセルや引出しの奥に押し込んだ経験、皆さんにも一度はあることでしょう。まさに、この心理です。

大人になってからのまずいものとしては、発注ミスで購入してしまった不要な備品や制作上ミスをしてしまった試作品のように、すでに発生してしまった「責任から逃げたい」ものがあげられます。また、前任者から引き継いだものの今後の使用予定がわからず、捨てる判断もつかないという「判断から逃げたい」ものもあります。

よくあるのが、「よくわからないから、とりあえず置いておこう」という放置。置いてはおくものの実際に使う予定はないので、目につかない場所に放置されます。自分の目に届かない場所に物を隠して問題を先送りすることで、判断から逃げたいのです。

また、可能であれば、必要な量やタイミングよりも余裕をもっておきたいという心理も抱いています。「足りないと困るから、多めにプリントアウトしておこう」という、会議前の資料準備はこの典型例です。人は必要なものを持っていなかったことによるデメリット、たとえば、「上司にしかられた」「顧客への商機を逸した」という経験は強く印象に残ります。一方で、それを持っていたことによるデメリット――たとえば、保管スペース増や数年後には廃棄することになったという事実は、認識すらされないことがしばしば。だから、持っていない、というデメリットを回避しようと、余分にものを確保する、という行動になるのです。

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