同じ勉強をしていて差がつく「本質的な理由」 できる子とあと一歩の子の意外と大きい違い

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2.授業だけが学びの人(勉強の場だけが学びの人)

これは、授業をしっかりと受けて学び、さらに家で予習復習や宿題など、勉強する時間の中ではしっかりと学んでいる人をいいます。このような生徒は、公立の学校では比較的上位の成績がとれます。

嵯峨さんのお子さんはこの層に入るのではないでしょうか。5段階評価でいえば4のレベルくらいかと思いますが、全体に占める割合は正規分布に仮にあてはめるならば24%です。

3.寝ているとき以外、すべて学びの人

このような人が最もできる人です。本当にそんな人がいるのかと思われるかもしれませんが、います。東京大学には、たくさんいます。彼らは、人と話をするときも、テレビを見ているときも、街を歩いているときも、感じ、考え、自分の意見を持つ習慣を持っています。それによって教養が深まり、考える力が深まり、記述力や小論文といった自己表現力もつくのです。

たとえば、家から駅までの間を歩いている場合でも、普通は大きな変化がなければなにも気づきませんが、この3のタイプの人は、非常に多くの気づきを得て、そこから考えたりするのです。ですから得られている情報量が1や2のタイプの人とはまったく異なります。

一度、このようなタイプの人と一緒に旅行に出かけてみるとわかります。1のタイプと3のタイプとでは、経験から得られる知識量に雲泥の差がついているのではないでしょうか。もし5段階評価でいうと5を取るこの層は、正規分布でいえば全体の7%です。

3のタイプになる方法は?

このように、同じ授業を受けていても、差が生まれるというのは、当然のことなのですね。授業中のあり方もそうですが、日常のあり方に大きな差があるのです。

では、どうすればこのタイプ3になれるのかということです。

そのためには、「気づく楽しさ」「知る楽しさ」「考える楽しさ」を知る必要があるのですが、そう簡単に、そのような楽しさを知ることはできませんね。

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ここで、これまでたくさんの子どもたちを指導してきてわかってきたある方法があります。

それは、「人と違う意見を発言させる」ということです。

そのときに指導的立場にある人は、「別の見方ない?」「別の意見ない?」などと通常とは異なることを誘導してあげる必要があるでしょう。このような促しによって、人は自然と「気づき→知り→考える」ようになっていきます。そして出てきた発言内容に対して絶対に否定はしません。これを習慣にすると、頭の構造が変わってきます。

嵯峨さんもお子さんに、日頃から「人とは違った考え」を子どもに持たせるように会話されてみてはいかがでしょうか。これが、習慣化されると学力に大きなインパクトを与えるようになっていきます。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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