日韓関係はトランプ政権下で劇的に悪化する 米国という「重石」がなくなる東アジアの悲劇
米国の「無関心」のスキを中国が突く?
「日本と韓国がGSOMIA(ジーソミア、軍事情報包括保護協定)に署名したのは、中国にとって警戒すべき動きです。おそらく、THAAD(サード=高高度ミサイル迎撃システム)配備にも匹敵する衝撃でしょう。韓国国内にも日本に対するアレルギーがあり、また朴槿恵政権が死に体になっている状況下で、よく署名にこぎつけられたというのが正直な印象です」
と驚きを隠せないのは、国際問題に精通した中国のメディア関係者だ。日韓両政府は11月23日、日韓の防衛情報を共有する基礎となるGSOMIAを締結した。
だが、この関係者は続けてこう語る。
「ただ、トランプ大統領の下でも、こんなふうにうまくできるでしょうか……」
ドナルド・トランプ次期大統領の登場で、米国の外交政策はどれほど変わるのか。そして外交政策の変化は、アジアの安全保障環境にいかなる影響を及ぼすのか。世界中で関心が高まっている。
日本の関心のほとんどは、トランプの米国が「モンロー主義的無関心」に陥るのではないか、ということだ。つまり、中国がそのスキを突いてアジア地域で勢力を拡大させるのではないか、という懸念である。
だが、米中関係はそもそも大国同士としてのライバル関係とは別に、大きな経済パートナーである協調の関係という、簡単に変えようのない構造がベースになっている。「トランプの米国」でもこの力が一定程度働く、と考えるのが妥当だろう。
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