日本株は「イタリア国民投票後」どう動くのか 日経平均株価は一時的に600円程度の下落も?

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一方、日経平均先物は夜間取引で1万8340円と、2日の日経平均終値(1万8426円)比では90円ほど下落している。ドル買いが一服したことから下落は仕方ないが、日経平均が1日に足元の高値1万8746円をつけた以降、日経平均先物が日経平均よりも弱含む場面が増えている。細かい話で恐縮だが、日経平均が高値をつけたのは1日の11時12分。日経平均先物が高値をつけたのも同時刻だった。後場入り後も高値圏でのモミ合い相場が続いていたなか、13時50分過ぎから相場の様相が一変した。

日経平均先物を中心に断続的な売りが入ったことから、この先物につられ日経平均は上げ幅を一気に縮小。日経平均先物は、15時に算出された日経平均の終値1万8513円を100円ほど下回る1万8400円で取引を終えた。週末の2日も日経平均先物が弱含む展開となり、終値(1万8330円)は日経平均(1万8426円)を下回る格好となった。こうした状況は先安感がやや高まっている証左と言えよう。

相場は「大量の先物売り」が出ると簡単に崩れる

先物の存在感が増していることは、今後の懸念材料と見ておいたほうが良さそうだ。トランプ相場は、銀行株を中心に現物株にもしっかりとした買いが入っていたが、結局は大量の先物売りが入ると相場は簡単に崩れてしまう。

今週(5日~9日)はタイミングがいいのか悪いのか、週末に先物やオプション取引で用いられる特別清算数値(SQ値)が算出される。

SQ値を気にするのは、先物と現物で裁定取引を手掛けている投資家ぐらいだと思うが、SQ値が算出される週は大きく相場が乱高下するケースが多い。これは、先物、オプション市場で売買が活発化することから振れ幅も大きくなるからだ。

市場関係者が妙にSQ値算出を意識することも要因の一つだろう。「SQ週は荒れる」といったアノマリーは確かに存在する。実際、今年の1月のSQ週は1335円下落、2月は1866円下落ときつい急落となった(終値ベース)。上昇しているケースもあるが、市場関係者は急落した瞬間の方が記憶に残ることから「SQ週は荒れる」といったアノマリーが誕生したのだろう。

そして、冒頭にも指摘したが、4日にはイタリアで憲法改正を巡る国民投票が実施される。投票が否決されれば、レンツィ首相が辞任する可能性が高まり、経営不振に苦しむイタリアの国内大手銀行の資本増強に遅れが生じる懸念がある。また、EUに対して懐疑的な政党への支持が拡大すれば、英国のようにEU離脱を問う国民投票が実施される可能性が高くなる。Brexit(英国のEU離脱)や米大統領選ほどではないものの、政治的・経済的混乱による先行き不透明感が長期的に株式市場への重しとなることも想定される。

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