日本株は「イタリア国民投票後」どう動くのか 日経平均株価は一時的に600円程度の下落も?

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つまり、今週は、日本株は先物の存在感が増しているなか、週初にイタリア国民投票の結果を反映し、週末にはSQ値の算出を迎えるわけだ。

チャートでも、反落を示唆する「上影陰線(トンカチ)」が高値圏で示現している。市場関係者が身構えるのも仕方ない。

ただ、仮に下落した際は、このトランプ相場で買いのタイミングを逸していた投資家からすると、「年内最後の買い場がくる」のではないかと考える。

トランプ次期米大統領自身が、ドル高論者なのかドル安論者なのかはっきりしない。だが、トランプ次期米大統領が進めると見られる政策は、ドル高を誘発する。非常にシンプルな発想だが、ドル高円安のトレンド継続は日経平均には追い風だ。

もちろん、内需株などはドル高円安が逆風となるケースが想定されることから、日本株全てが上昇といったわけではない。あくまでETFやオプション、先物など日経平均をベースとした投資や、円安メリット銘柄のことを指している。

週明けの東京市場はこんなシナリオになる?

5日の東京市場は、もしイタリア国民投票で反対派が勝利した場合、こんな値動きになるかもしれない。

反対派勝利の場合、日経平均は先物を中心とした売り崩しにあい、下げ幅を拡大する可能性がある。週末9日のSQ値算出を前に、裁定買いのポジション解消を待っていた投資家による売りが入るほか、リスク回避の円買いも進み、オプション市場ではプットオプションの価格が急騰。節目の1万8000円を割り込んだ後は、25日移動平均線が位置する1万7800円レベルまでの調整も視野に入るかもしれない。

2日の終値1万8426円からすれば、一時的に600円以上も下落することになるが、ターゲットとして意識されやすいこの25日移動平均線の付近で下げ渋った後は、押し目買いを待っていた投資家による買いで、結局は1万8000円台を回復して取引を終えた…。

といったシナリオを想定している。冒頭で触れたように、イタリア国民投票の開票は東京時間5日7時から実施される。ちなみに筆者は、6月、11月の急落相場はともに予想を外しているので(「トランプ氏勝利で急落となれば買い」とは指摘したが、そもそもクリントン氏勝利を予想していた)、参考程度に留めていただければ幸いだ。

田代 昌之 マーケットアナリスト

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たしろ まさゆき / Masayuki Tashiro

北海道出身。中央大学文学部史学科日本史学科卒業。新光証券(現みずほ証券)、シティバンクなどを経てフィスコに入社。先物・オプション、現物株、全体相場や指数の動向を分析し、クイック、ブルームバーグなど各ベンダーへの情報提供のほか、YAHOOファイナンスなどへのコメント提供を経験。経済誌への寄稿も多数。好きな言葉は「政策と需給」。ボラティリティに関する論文でIFTA国際検定テクニカルアナリスト3次資格(MFTA)を取得。2018年にコンプライアンス部長に就任。フィスコグループで仮想通貨事業を手掛ける株式会社フィスコデジタルアセットグループの取締役も務める。

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