アマゾンが「人工知能」で先端にいられる秘密

「人工知能」と「クラウド」の深い関係とは?

たとえば、「Amazon Rekognition」は画像認識サービス、「Amazon Polly」はテキストを音声で読み上げるサービス、「Amazon Lex」は自然言語認識サービスである。いずれも人工知能技術を使って開発されたサービスで、人間のように画像を認識したり、会話を理解するといったことを実現する。

これらの新サービスは、AWS利用者がアプリケーションを開発する際に使うことができる。「世界的に注目されているホットな領域」「AWSに限らずほかのメジャープレーヤーも力を入れている領域」なだけに、AWSの先進性をアピールしよう、という意図があるのだろう。

クラウドなら膨大な処理ができる

実は、アマゾンの人工知能サービスは今回突然登場した技術というわけではない。特に「Amazon Lex」は同社が2015年7月に米国で一般販売を始めたデジタルアシスタントガジェット「Amazon Echo」で使われている人工知能技術「Alexa」を使っている。つまり、Alexaの技術を第三者にも利用可能な状態にしたものがLexというわけだ。

これが「Amazon Echo」。音声でさまざまなアプリを動かすことができる

Amazon Echoは音声で各種アプリを操作するガジェットで、人間の言葉を理解して音楽を再生したり、天気予報を教えてくれたりする。このガジェットはすこぶる評判がよく、米国にはこのガジェットのない生活は考えられないというほどの愛用者もいる。

なぜか。実は、多くの人(とくに男性)にとって「しゃべる機械」は子供のころからの憧れであり、いつかは実現する未来的なものだからだ。

そもそも「しゃべる機械」はサイエンス・フィクションでは頻繁に使われる定番のキャラクター。米人気ドラマ「ナイトライダー」に登場する未来の自動車「K.I.T.T.(キット)」、「機動戦士ガンダム」に登場する球形のロボット「ハロ」、「攻殻機動隊」の6足歩行兵器タチコマ、映画「アイアンマン」で主役のトニー・スタークが開発した「J.A.R.V.I.S.(ジャービス)」・・・。例はいくらでもある。「音声での対話によって人間が機械を操る。さらに、その音声には知能があり、独特の友人関係が生まれる」というのは、多くの人が考える未来の形である。

こうした人工知能技術――特に音声を認識して、その内容を理解する能力――の基本部分は大型コンピュータ(メインフレーム)が主役だった数十年前からある。しかし、それを実現するために大量のコンピューティングリソースが必要であるため、実用的なレベルで実現できなかった。その問題を解決するのが、クラウドである。

次ページ「規模」は多くの問題を解決する
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