NYでドル円が一時112円97銭まで急上昇 FRBが「2017年も政策金利引き上げ」の観測
[ニューヨーク 23日 ロイター] - 23日のニューヨーク外為市場では、ドルが円に対して一時、約8カ月ぶりの高水準に上昇した。米経済が堅調な成長の軌道にあると示す経済指標を受け、米連邦準備理事会(FRB)が来月だけでなく、2017年も政策金利を引き上げるとの観測が強まった。
ドル/円<JPY=>は朝方に一時、112.97円まで上昇。終盤は1.2%高の112.51円で推移している。
ユーロ/ドル<EUR=>は下落基調が続いて一時、1年7カ月ぶりの安値に低下した後、直近は0.7%安の1.0550ドルとなった。
主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は一時、2003年3月以来の高値となる101.90に上昇し、終盤は0.6%高の101.67だった。
米商務省が発表した10月の耐久財受注統計では、非国防資本財から航空機を除いたコア資本財の受注が前月比0.4%増加。また米労働省が発表した週間の新規失業保険申請件数は、節目となる30万件を90週連続で下回った。これらの統計により、FRBが複数回にわたって利上げを実施するとの見方が広がった。
さらに11月の米ミシガン大消費者信頼感指数(確報値)は、米大統領選でのトランプ氏の勝利を受け、93.8に上昇した。
CMEグループのFEDウオッチによると、市場は現在、FRBが12月に利上げに踏み切る確率をほぼ100%と織り込んでいる。
この日公表された11月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨も、早期の利上げを正当化する内容だった。
BNYメロンのシニア・グローバル・マーケッツ・ストラテジスト、マービン・ロー氏は「この日発表された一連の経済指標はすべて、利上げに向けた障壁は低いとの見方を裏付けている」と述べた。
投資家は、トランプ次期大統領の景気刺激策によりインフレが高進し、そのためFRBが予想より速いペースで政策金利を引き上げる可能性が生じることで、ドルが下支えされるとみている。
一方でユーロは、来月に実施されるイタリアの国民投票や来年のフランスとドイツの国政選挙など、一連の政治リスクに直面している。
また人民元<CNH=D3>は、米大統領選でのトランプ氏勝利を受け、トレーダーが資本流出加速の兆しに対処する中、オフショア取引で一時、0.5%安の1ドル=6.9530元に下落して過去最安値を更新した。
ドル/円 NY終値 112.50/112.53
始値 111.12
高値 112.97
安値 111.12
ユーロ/ドル NY終値 1.0556/1.0563
始値 1.0620
高値 1.0623
安値 1.0527
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