慶應女子ハデ女がSFC地味女に「完敗」した日 東京カレンダー「慶應内格差」<7>

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顔は中の上。笑顔が眩しく、性格の良さがにじみ出るような愛くるしさ。太すぎず痩せすぎずな健康的な体型。10人が見たら4人は食事に誘う、そういう”手頃感”のある女だった。

大学は経済学部へ内部進学。入学後は、ゴルフ好きの父親の影響でゴルフサークル「ダッファーズ」へ。3年生の時にはずっと気になっていたサークルの1つ上の先輩、真二に告白され、交際することに。とにかく気さくな仲間たちと穏やかで牧歌的な大学生活を過ごした。

4月1 、桜が咲き誇る日吉キャンパス。高揚感でいっぱいの新入生たち。それもそうだ。3年間必死に勉強し、慶應への切符を手に入れたのだから。

――人生の夏休み。最高の4年間が今始まる――

どのサークルかで決まる慶應の人生

入学式が終わると待ち構えたように、キャンパスには在校生も溢れかえっていた。大学ではよくあるサークル勧誘の光景。だが慶應の場合、他大学とはちょっと違う。

サークルだってどこに入るかで大学人生が決まるのだ。当時は、とにかく楽しく過ごしたいなら、広告研究会。ハイクラス系を目指すならゴルフサークルのパーマーズ。ダンスが好きなら、今をときめくアイドルがOBのJADE。

在校生はとにかく可愛い子に声をかけまくる。可愛い子が入ってくれれば、サークルの評判は上がるし、男は黙っていてもついてくるから。そして何たって、翌年も綺麗な先輩に憧れて、可愛い子が入って来るのだからとにかく好循環が生まれる。

可愛い子が入ってくるかどうかはサークルの存続をかけた死活問題なのだ。

若かりし頃の3S。しかし、この頃からその頭角は既に現れていた。

――入るサークルは、イケてると評判のあそこに決めている――

並木道を3人で歩いていると、周りに人だかりができるくらいしつこく勧誘を受けた。でも3Sは「興味ないでーす!」と、ニッコリ上目遣いで上級生のオファーをすべて断った。ゴルフサークル・パーマーズ以外は。

3Sがパーマーズに入るとたちまちキャンパス内では、今年のパーマーズに可愛い子が入ったらしいと噂になった。

三田キャンパスにいる3男4男(3年生、4年生の男)はもちろん、3Sの存在はOBの耳にも届いており、3Sに会いたいがためにお財布代わりに5男や6男(社会人1年目2年目の卒業生を指す)までもがサークルに顔を出すように。

ということで、放課後には連日のように先輩たちに誘われ飲み会へ。

飲みの拠点は溜池山王時代の『ロウリーズ』。ダッファーズやテニサーが日吉や渋谷の大衆居酒屋で飲む中、ちょっとした優越感。

やっぱりサークルはパーマーズにして正解だ。

対人コミュニケーションに長けた沙羅は、男の先輩にばかり気に入られる栞や早希子とは対照的に、ちゃっかり女の先輩からの支持もゲット。

就活では、迷わず姉のように慕っている先輩と同じ業界を目指し外銀へ。なんの苦労もなくあっさり合格した。

東大のテニサー出身男子が幹事となり開催される外銀内定者のパーティー。そこで仲良くなったのが、リサ。同じ慶應経済しかも内部。それなのに全く名前を聞かない子だったけど、ゴルフサークルという共通点もあってか、すぐに打ち解けた。

沙羅は株のセールス、リサはストラクチャリング、会社もポジションも違ったのでライバルになることもなく、2人はお互いを支え合う良い関係となった。

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