北海道庁は「JR在来線」を守る気があるのか 「観光列車による活性化」はピンぼけだ

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では、国土交通省はどのような考えでいるのか。

寒冷地を走るJR北海道の経営環境は厳しい(撮影:今井康一)

この十数年、全国の地域公共交通ネットワークが崩壊の危機に瀕している。クルマの所有率向上と少子高齢化で交通事業者の経営が深刻な状態になった。鉄道やバスを持続可能にするため、あちこちで取り組みがなされている。

単独では維持困難な鉄道会社に対しては、「鉄道事業再構築事業」という支援プログラムを用意している。事業計画を提出した地域と鉄道に対して税制特例措置を認め、予算を重点配分する。福井鉄道、三陸鉄道などが適用対象となった。

JRは、存続のためのモデルとして、「上下分離方式」を提案している。自治体など公的主体が線路や車両など設備を保有し、JRが運営を担当する手法だ。JR北海道のローカル線の場合、本州の鉄道より経営環境は極端に厳しい。沿線の人口密度や利用者数など特殊な状況を考慮し、補助の積み増しが行われる可能性はある。

沿線自治体と道が握る存続判断

ただ、国交省は、持続困難な鉄道事業に補助を出す前提として、自治体が主導して事業に取り組むこと、そして地元が鉄道存続のために応分の負担をすることも求めている。

すなわち、沿線の市町村が補助を出すのかどうかを決めて、存廃の判断をせねばならない。どれぐらいまで財政負担は可能なのか。高校への通学の足を重視するのか、中長距離輸送の維持を考えるのか、地域資源となる観光路線を優先するのか。バス転換するならばどのような準備をせねばならないのか……。考えなければいけないことは山積している。

すべてのローカル線を残すことは無理かもしれない。でも、持続させるべき区間もあるはず。大局に立って地元を調整しながら、「選択と集中」をする作業を担うのは北海道庁しかありえない。

北海道庁には苦い経験がある。1980年代、道内の国鉄赤字ローカル線を第三セクター鉄道として残せないか、との意見が出てきた。道は外部コンサルタント会社で試算してもらったが黒字化するはずもなく、計1300キロメートルの路線がバス転換されていった。国鉄だけでなく道庁にも批判が集まった。

池北線140キロメートルは、政治決着で鉄道として存続することになった。道や市町村が出資した第三セクターの北海道ちほく高原鉄道が1989年に引き継ぐが、毎年4~5億円の赤字を出し続けた。道庁は持続不可能と判断してバス転換を促す。地元協議会は大荒れするが、議論を始めて1年もせずに2006年の廃止が決まった。当時、高橋はるみ北海道知事は「無い袖は振れない」と発言し、地元から猛反発を食らったという。

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