赤ん坊が泣いても全員ライブを楽しめる方法 「出て行かせる」だけが解決法じゃなかった

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「なんか、いい方法ないかなぁ」と考えていたら、夏に行っている僕のトークライブ『西野亮廣独演会in東京』の会場となる東京キネマ倶楽部が頭に浮かんだ。

東京キネマ倶楽部の二階席は一列しかない。しかも、すべての席が独立していて、キャスター付きのソファー席だ。

ここなら、他のお客さんに迷惑をかけることなく、席を立つことができる。

そんでもって、劇場には楽屋がたくさんあるうえに、独演会なので、楽屋は僕しか使わない。つまり、空き楽屋が大量にあるわけだ。これは使うしかないよね。

未就学児の入場を無料に

『魔法のコンパス 道なき道の歩き方』(書影をクリックすると、版元のサイトにジャンプします)

退席しやすい二階席に限り、お父さんお母さんの膝の上で見ることができる未就学児の入場を無料にしちゃう。そんでもって、楽屋をキッズスペースにして、ステージ上の様子が見れるようにモニターも手配しちゃう。

こうすれば、赤ん坊が泣き出した時に、お父さんお母さんはキッズスペースで、ステージの続きを見ることができる。赤ん坊が泣きやめば、また席に戻ってくればいい。

もちろん私ときたら、希代のエンターテイナーですから、キッズスペースも、「このままキッズスペースにいたいなぁ」と思えるぐらい、メチャクチャ楽しい空間を演出しちゃう。これで、皆、幸せになれるんじゃないかな?

こんな簡単なことを、どうしてもっと早く気づかなかったのかな? ごめんなさい。

劇場も、この観点で選ぶべきだった。

もし、将来自分が劇場を作ることになったら、設計の段階でこの部分は必ず踏まえておこう。

お父さん、お母さん。赤ん坊をドンドン連れてきてください。

ご家族でお笑いライブを楽しんでください。

西野 亮廣 絵本作家

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にしの あきひろ / Akihiro Nishino

1980年、兵庫県生まれ。1999年、梶原雄太と漫才コンビ「キングコング」を結成。活動はお笑いだけにとどまらず、3冊の絵本執筆、ソロトークライブや舞台の脚本執筆を手がけ、海外でも個展やライブ活動を行う。また、2015年には“世界の恥”と言われた渋谷のハロウィン翌日のゴミ問題の娯楽化を提案。区長や一部企業、約500人の一般人を巻き込む異例の課題解決法が評価され、広告賞を受賞した。その他、クリエーター顔負けの「街づくり企画」、「世界一楽しい学校作り」など未来を見据えたエンタメを生み出し、注目を集めている。2016年、東証マザーズ上場企業「株式会社クラウドワークス」の“デタラメ顧問”に就任

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