例年この時期は、私と日野皓正、それに王貞治さんが実行委員を務める「ザ・レジェンド・チャリティプロアマトーナメント」をお伝えすることになりますが、「オイ、またかい」と言わずに聞いてくださいよ。ゴルフは生き物なんだから。
大会は、2日間36ホールのストロークプレーですが、初日は5月だというのに3月に降るような冷たい雨。プロはゴルフが商売だから、ゴルフができりゃ天気は関係ないけど、アマチュアの仲間同士のゴルフだったら「今日はやめとこ」という日だったね。そこに集まったのは28人のプロと28人の著名人、それに一般アマチュア56人。
朝、スタート時間に合わせてコースに集合すると、誰一人「今日は中止かい?」なんて言わずに雨具に着替え・・・いやいや、舘ひろしさんなんか半袖にベストだけ! 「一流の俳優は覚悟ができてる」と感じた反面、われわれのトーナメントの為にありがとうと心の中でつぶやいていたんだよね。出場してくれた著名人といわれる人たちは俳優や歌手が多く、風邪でもひいたら仕事に直接影響する。松山千春は大会の翌日から大きなコンサートがあると聞いていたけど、初日はずぶ濡れのゴルフ、次の日もくたくたになりながら競技を終了、頭が下がるね。
五木ひろしも古い友人、30年以上も前の自分の結婚披露宴で「おまえとふたり」という歌を歌ってくれたけど、それからだいぶ歳を重ねているのにスイングは昔と変わらない。きっと毎年、この日に合わせてトレーニングで体調を管理、2日間を乗り切ることを健康のバロメーターにしてるのかもしれない。
皆、いろんな思いで出場してくれているんだけど、トーナメントの緊張感がたまらないって言う人が実に多い、プロの自分もそうだけど。
「今も、青木さんも1番ティーに上がると、体に緊張感が走るんですか?」そんなこと聞く人がいるけれど、その緊張感がたまらないのよ。舞台に立つ人も同じなんだろうね。初日の幕が開くまで、そこに体も心も最高のコンディションになるようにきっと日々を過ごしていると思う。一流の選手も芸人も、その程よい緊張感があるからこそ、人が感動する芝居ができたり歌が歌える。
ゴルファーもね、緊張感があるからこそ、ここ一番でスーパーショットが生まれるんですよ。それには、ゴルフに惚れないとね。惚れるってことは、毎日、心の奥にゴルフがあるってこと、良いゴルフをする為に体を大切にするわね。
その結果が、自慢話になるけど、71歳にして68のエージシュートを、この試合で達成。ジャンボ尾崎が、つるやオープンで62を出したもんだから、皆が「今度は青木さんの番だ」とけしかけてね。自分では意識はないけど体の隅々にしみ込んでいるのかもしれない。いいライバルを持ったもんです。
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