福島原発、終わりのない「水」との戦い

〈現地ルポ〉廃炉への遠い道のり(上)

免震重要棟というのは、災害発生時に対策活動の拠点となる緊急時対策室や通信・電源などの重要設備を集合させた建物。震度7クラスの地震が発生しても支障を来さないよう設計されている。

福島第一原発では2010年7月から運用を開始。原発事故の収束作業で重要な役割を果たし、事故当時の清水正孝社長は12年6月の国会事故調査委員会の聴取において、「あれ(免震重要棟)がなかったら、と思うとぞっとする」と証言している。

今、全国の原発では新規制基準に対応するために免震重要棟を建設中だが、東電の原発にあったのは、震度7を記録した07年の新潟県中越沖地震時に、柏崎刈羽原発の建屋内部の緊急時対策室が大損害を受けたという反省があったためだ。

原子炉注水用の配管を短縮する「復水貯蔵タンク」初公開

10時40分ごろ、発電所構内の取材のため免震重要棟前でバスに乗車。まず、1号機のタービン建屋海側にある復水貯蔵(CST)タンク前で降車する。空間線量は毎時135マイクロシーベルトだ。

この緑色をした巨大なCSTタンクは、今回初めて公開された場所のひとつだ。周辺には、津波でひっくり返った自動車などそのままのガレキも多い。その側では黙々と数人の作業員が作業していた。

東電では、メルトダウン(炉心溶融)した1~3号機の原子炉を水で冷やす注水用の水源として、6月下旬からこのCSTタンクを使う予定だ。現在は、原子炉から離れた高台にあるバッファタンクの水を使用しているが、建屋に近接したCSTを利用することで屋外に張られた配管の全長が1キロメートル短縮され、3キロメートルになる。これによって配管からの水漏れのリスクが低減するという。水源の保有水量も従来の1.8倍の1800トンとなる。

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