選挙の勝者と敗者は何で決まるのか(上) いよいよ「血を流さない戦争」開始まで、3週間弱
選挙を決める、重要な「構図」とは?
さて、選挙の結果というものは、大抵は「構図」で決まります。選挙の種類、各党の支持率、候補者の人数、年齢・性別・経歴などの候補者の属性や地域性等が構図の要素となります。それぞれ順に説明していきましょう。
【選挙の種類】
国政選挙か地方選挙か、そして地方選挙でも首長選挙か議員選挙かで、状況が変わります。国政選挙は政党の風をもろに受ける選挙で、どの党に所属しているかで勝負がほぼ決まってしまいます。郵政選挙のときならば自民党、政権交代選挙のときならば民主党、そして昨年12月の総選挙ならば自民党の公認候補者でありさえすれば、「たとえ候補者がかかしでも受かった」と言われるほどです。現に、かかしに毛が生えた程度の私ですら、政権交代選挙にて当選しています。
そんな国政選挙において、無所属で戦うのはかなり無謀なことであり、よほど地元に根付いているか、よほど知名度があるか、よほどおカネがあるかでないと当選は不可能です。実際、国政選挙において無所属で勝ち抜いているのは、ほんの数名です。
一方、地方選挙では政党の風の影響が弱まります。都道府県議会議員選挙では、国政ほどではないにせよ、政党の風の影響がある程度大きいのですが、市町村議会議員選挙では、影響は小さくなります。生活に最も密着した市町村議会議員選挙では、「政党よりも個人」という傾向があります。国政では嫌いな政党であっても、さすがにいつも接しており、いろいろとお世話になっていると、政党は嫌いでも個人を支持するという現象がよく起きるのです。
また、市町村議会には無所属議員が多いという特徴があります。当選人数が多いため、無党派層の受け皿として、無所属候補者が一定数は当選できますし、また、実際は明らかにある政党の一員なのに、地域に密着した市町村議会議員選挙では、近所のいろいろな政党支持者から広く票を集めるために、わざと無所属で立候補する候補者もたくさんいるのです。
地方の首長選挙では、無所属が基本となります。なぜなら、首長はさまざまな政党の協力を得ながら行政を進めていく立場であり、どこかの政党に偏るべきではないという建前と、政党に所属していないと活動に限界がある一議員とは異なり、自分ひとりで政策を決定できる首長は無所属でも十分に活動でき、また、無所属のほうが無党派層の票を取り込みやすいという本音が一致するからです。
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