シャープ、2年ぶりの上期黒字は「本物」なのか 戴正呉・新社長、「不平等契約」の見直しを宣言

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縮小

第2四半期決算で液晶事業は前上期の415億円の営業赤字から146億円の営業赤字へと改善したものの、この赤字幅の縮小は今回の決算から液晶事業に組み入れられたテレビ事業の貢献が大きい。自社ブランドテレビ「アクオス」は4Kテレビなど高価格品の国内販売が好調で、今上期は黒字化を達成した(前上期は151億円の営業赤字)。

一方、液晶事業単独では、前期のリストラ効果で赤字幅は縮小したが、米アップルのiPhoneなど大手顧客向け販売が減少して工場稼働率が低迷したうえ、中国液晶メーカーの台頭で大型液晶パネルの売価下落が続き上期で150億~200億円規模の赤字を計上(詳細は非公表)。業績回復への目途が立ったとは言いがたい。

足元ではサムスンの「Galaxy Note7」が生産中止となった影響で、Note7と同じ画面サイズのiPhone7plusの需要が高まっており、アップルのティム・クックCEOが10月25日に行われたアップルの投資家向け電話会議で「iPhone7plusの供給が年内は追いつかないかも知れない」と話している。しかし、シャープが納品しているのはiPhone7向け液晶のみと見られ、特需効果は限定的だ。

液晶事業の黒字化はまだ不透明

多くの報道陣に囲まれる戴社長(撮影:梅谷秀司)

液晶事業の黒字化時期については明言を避けた戴社長。会見では「液晶業界は日本と台湾だけ政府の支援がない。(液晶事業で成功している韓国と中国の)2国は国からの支援が大きい」と恨み節を口にする場面もあった。今後は鴻海の購買力を活用し、コストを抑えながら車載用液晶パネルなど比較的採算の良い領域にシフトしていく戦略だが、車載用は受注までに時間を要するため業績への貢献はまだ先になりそうだ。

同日、戴社長は社員に向けてメッセージを発信。「過去と同じ発想、同じやり方をしていて、黒字化を成し遂げることができるでしょうか。黒字はおろか、再び2000億円の赤字になりかねません」と警鐘を鳴らした。

シャープは今までのやり方を捨て、復活を本物にすることができるのか。好決算に安堵するには時期尚早。復活への道のりはまだ緒に就いたばかりだ。
 

田嶌 ななみ 東洋経済 記者

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たじま ななみ / Nanami Tajima

2013年、東洋経済入社。食品業界・電機業界の担当記者を経て、2017年10月より東洋経済オンライン編集部所属。

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