日産ゴーン改革「再来」に部品会社が戦々恐々 三菱自が傘下入り、調達網再編はどうなるか

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縮小

再編対象になりうるのが、輸出比率の高い工場だ。「将来的に日産やルノーの海外工場で三菱車を生産することになれば、三菱自動車の国内生産縮小は避けられない」。三菱自動車と取引のある東海地方の部品メーカー幹部は情報収集に躍起になっている。国内向け比率の高い部品メーカーは契約を切られる可能性がある。

小規模部品メーカーの生き残りは厳しい

三菱自動車は国内生産65万台のうち、3分の2を輸出する。水島製作所は国内専用の軽自動車が多い。焦点はSUV(スポーツ多目的車)を軸に輸出が9割を占める岡崎製作所や、同8割のパジェロ製造だ。

自動車の全面改良は4〜5年ごとのため、実際の再編には時間を要する。三菱自動車のサプライヤーにとって目下の課題は、今後も受注を維持できるかどうかだ。日産と三菱自動車は2018年にも新型の軽自動車を投入する。開発主体は三菱自から日産に移るため、前出の日産系部品メーカー首脳は「今回の軽の仕事を取らない手はない」と、取引実績をテコに新規受注を狙っている。

「ゴーン改革で競争力を鍛えられた日産系部品メーカーは開発力やコストで優位性があり、地場の小規模の部品メーカーは厳しい戦いを強いられる」(SMBC日興証券の松本邦裕シニアアナリスト)。「ゴーン・ショック」は再び起こるのか。自動車部品業界はかたずをのんで見守る。

木皮 透庸 東洋経済 記者

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きがわ ゆきのぶ / Yukinobu Kigawa

1980年茨城県生まれ。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。NHKなどを経て、2014年東洋経済新報社に入社。自動車業界や物流業界の担当を経て、2022年から東洋経済編集部でニュースの取材や特集の編集を担当。2024年7月から週刊東洋経済副編集長。

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