三菱自動車、一律10万円補償は妥当なのか 対象は悪質不正があった軽4車種のユーザー
「10万円の補償」と聞いて、ユーザーはどう受け止めているだろうか。
燃費不正問題に揺れる三菱自動車は、6月17日、顧客への補償方針を明らかにした。
10万円を補償するのは、最も悪質な不正があった軽自動車4車種のユーザーに対してだ。対象車種は三菱自動車ブランドの「eKワゴン」「eKスペース」、日産自動車向けに供給していた「デイズ」「デイズルークス」である。
ガソリン代の差額などを補償
この軽4車種は、燃費測定の初期設定に用いる 「走行抵抗値」というデータを恣意的に改ざんし、その結果、カタログ燃費は正しいデータを用いた場合より5~15%よく見せかけていた。これは「燃費をよく見せる」ことを意図した恣意的な改ざんで、悪質性は高い。
この10万円は、①燃費の偽装で生じたガソリン代の差額、②今後の車検時 に発生する税金の増額分、③お詫び金の3つの要素を含んでいる。
ガソリン代の差額は、一般的な平均年間走行距離である年間1万キロ、保有年数10年というユーザーを想定し、算出している。軽を新車で購入した人の平均保有年数は8.6年であり、それより長めに見積もった。とはいえユーザーによって使用年数や走行距離には差があるうえに、実際の燃費の悪化幅は5~15%と車種ごとにばらつきがある。
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