三菱自動車、一律10万円補償は妥当なのか 対象は悪質不正があった軽4車種のユーザー
だが、わかりやすさと「10万円ならほぼすべてのお客様のご負担増をカバーできる」(益子修会長)ことを考慮し、軽4車種は一律10万円を補償金とする。
次に3万円を補償する車種は「RVR」、「パジェロ」、「旧型アウトランダー」、「ギャランフォルティス」、「コルト」の一部の型だ。補償金3万円に関してはギャランフォルティスの不正を根拠にしている。
軽以外でも恣意的にデータを操作
ギャランフォルティスは開発段階で、1リットル当たり13.2キロの燃費しか出せなかったが、同13.6キロの目標燃費に届いたと見せかけるため、走行抵抗値を改ざんした。軽4車種よりも乖離幅は小さいが、燃費は実際より3%程度よく見せられており、恣意的にデータを操作したという意味では軽4車種の不正と同じだ。そこで、10数年を平均保有年数と仮定し、軽4車種と同様に平均走行距離をかけ算して算出したガソリン代の差額をもとに、3万円という補償金を導き出した。
補償金3万円グループのうち、ギャランフォルティス以外の4車種は、燃費をよく見せるために走行抵抗値を改ざんしているが、過去の資料に基づくと、「結果的に出てきた燃費は虚偽ではない値」(中尾龍吾副社長)だという。
これら4車種は開発段階で目標燃費を達成したものの、国の審査(保安基準の適合性や製品の均質性が検査される)で目標を達成できるかぎりぎりの状況だった。正しい値を申請すれば、目標を達成できない恐れがあったので、余裕をもって燃費を達成するため、走行抵抗値を恣意的に改ざんしたと三菱自動車は説明する。
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