ドゥテルテ、「南シナ海」で有利な決定的証拠 "暴言"大統領はいずれ中国に突き付ける

✎ 1〜 ✎ 45 ✎ 46 ✎ 47 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
ドゥテルテ・フィリピン大統領(左)は、初の首脳会談で習近平・中国国家主席(右)と握手。が、暴言やすり寄りだけではない、したたかな外交姿勢も見せる(写真:新華社/アフロ)

ドゥテルテ・フィリピン大統領は、10月18~21日に中国を訪問。いったんフィリピンへ戻ったが、25日~27日、日本を訪問した。忙しい外交日程であることは間違いないが、失礼ながら、フィリピンの大統領としては異例の注目を浴びた。

フィリピンは伝統的友好国である米国から離反し、中国との関係を強化する方向を向いているように見られている。そのうえ、同大統領が独特の過激な物言い、たとえば「米国と別れる。オバマ大統領は地獄へ落ちろ」などと発言し、世界の耳目を引いているからだ。

南シナ海で米国と対立する中国が、ドゥテルテ大統領の訪中を急きょ国賓に格上げし最大級の歓待をしたのは、ある意味当然であった。しかも、中国が提供した経済協力は、確定的でないようだが、総額2兆5000億円にも上ると言われている。さすがにこの大盤振る舞いについては、中国内でも批判の声が上がっているそうだ。

まず過激に発言し、後から修正する

しかし、フィリピンが本当に米国から離れ、対立することも辞さなくなったと見るのは早計だ。大きく言えば、半分は、ドゥテルテ大統領の言動によって誇張されている。同大統領は、まず過激に発言しておき、後で必要なら修正を行う。修正は自分自身ですることもあれば、外相など側近がその役割を演じることもある。

今回も中国訪問後の説明を聞けば、米国との関係は従来と基本的には変わらないようだ。米軍との合同軍事演習はもうしないと言っているが、同盟関係は維持する方針である。

次ページ訪中を壊さないための演出だった
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事