小泉進次郎の言葉は、なぜ人を引き付けるのか 何気ないやりとりに潜む、超高度なテクニック
「だけど、私にとっては、この囲み、ぶらさがりってのは鍛えられてるなあと。みなさんから、政治だけじゃなくあらゆる分野の質問が飛んできてね。そういったことに、臨機応変に、また、当意即妙に。どうやって答えるのか、そして時には答えているようで答えないのか(※3)。いろんなことを学ばせてもらってる修行の場ですから(※4)。これからも、ぶらさがっていただけたらなあと。そう思ってます」
※3では、「答えているようで答えない」という高度な技も、お手の物です。
※4では、謙虚さを出しています。それでいて、橋下市長をストレートに批判するのではなく、暗に批判するという巧妙な手法をとっています。
(産経記者)--橋下さんのようにはならないと
(進次郎氏)「まあ、厳しいこと言われるのは政治家、当たり前ですから。厳しいこと言われることが当たり前で、記者さんも政治という権力の側に厳しい目を向けるのが仕事だから。それをわかったうえで、緊張感を持ちつつ、信頼関係を築くっていう努力が政治家にとっては大切かなあ(※5)、そんなふうにと思っていますね」
※5では、「信頼関係」というメッセージを送り、メディアを決して敵に回さない姿勢が見てとれます。
(産経記者)--三浦さんがエベレスト登頂に成功した。感想を
(進次郎氏)「同じ『郎』がつく名前でも『雄一郎』と『進次郎』じゃ、随分大違いだなと思いました(※6)。本当に80歳でエベレストでしょ? いやあ、なんか勇気もらいましたね(※7)。これから僕は、都議選、横須賀市長選、参院選、この選挙戦を駆け抜けることと、80歳でエベレスト登頂比べれば、たいしたことないな。全力でがんばろうと。私でもそう思うんだから、多くの世代の方々に本当に勇気と力を与えたんじゃないですかね(※8)」
※6では、「そんなことないでしょ!」という記者からのツッコミを想定した、洗練された謙虚さです。※7では、ときにはくだけた言葉を使うことで、大衆の心をつかむことができます。純一郎氏の「感動した!」と同じです。※8では、あくまで自分のことではなく、国民のことに結び付けているところがさすがです。
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