小泉進次郎の言葉は、なぜ人を引き付けるのか 何気ないやりとりに潜む、超高度なテクニック

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我田引水も、お見事

もう少し、分析してみましょう。

「この政治の世界も、よく平時のリーダーとか有事のリーダーとか(※20)。象徴的なのはチャーチルなんかは有事のリーダーといいますけど、そういったものだけじゃなくて、どんな事態になっても対応できる、そういった本当に総合力、人間力。基礎能力の高い、リーダーや政治家という、ものも必要な時代なのかなと。大谷選手の存在で、そんなところまで考えました(※21)」

※20では、どんな話題でも、無理やりにでも政治の話題に変えていく話力があります。※21では、全体として準備しすぎな感は否めませんが、どんな話題でも深く考えているイメージを与えています。

「だから、彼がこれから二刀流を成功させるかどうかは、まったくわからないし、おそらく、野球界のエベレストの登頂のように難しい(※22)、多くの人ができない、それぐらい偉業への挑戦だと思うから、あまり今年だけの、結果とかでいろんなこと言うんじゃなくて、そういった野球界、世界の野球界にとっても、ひとつの挑戦なんだという思いで、温かく応援してあげた方がいいと思いますね(※23)」

※22では、ここで再びエベレスト登頂というフレーズを出すことで、2つの話題のニュースを結び付けてしまうという高等テクニックを駆使しています。※23では、期待しすぎて若い才能を潰すことがないように、ということまで考慮した大人の発言であり、もはや達人のレベルです。

以上、進次郎氏のすごさを検証しました。近い将来、小泉進次郎首相が誕生するのでしょうか?「ライバルの分析をしている暇があったら、自分がもっと成長するために努力したら?」という声が聞こえてきそうですので、ここで筆をおかせていただきます。

よこくめ 勝仁 政治解説者、弁護士

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よこくめ かつひと

 1981年9月10日生まれ、愛知県出身。中卒・トラック運転手の父のもと、裕福でない家庭で育つ。父のように、家族のためにがむしゃらに働く人が幸せになれる社会を作るため、小学生のときに政治家を志す。東京大学法学部を卒業した年に司法試験に合格し、弁護士に。「総理」というニックネームでフジテレビ系恋愛バラエティ番組『あいのり』に出演。2009年の第45回衆議院議員総選挙で、神奈川県第11区において小泉進次郎氏らと戦い、比例復活で初当選を果たす。2012年の第46回衆議院議員総選挙では、東京都第18区において無所属で菅直人氏らと戦い、落選。現在は、「政治解説者」と「弁護士」と「文化人」という三足のわらじを履き、日々奮闘中。
 




 

 

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