ただし私たちはそれを逆恨みに変えたり、卑屈になることはありませんでした。「やりたい人ができることをすればいい」と考えました。すれ違いや誤解のない人間関係など、探すほうが難しいくらいです。孫の行事が永遠にあるわけでもありません。その時々に、自分なりの誠意を尽くすのみです。
後年それぞれのお母様方は、「若気の至りで、自分たちの連絡不足、言葉足らずを随分反省し、胸が痛い」「姻戚でも、あなたのお母様とはいちばん気が合い、信用している」と、生涯に渡って母を善く言ってくださったことでした。
母は何も変わっていませんから、受け取り手が変わったことになります。時の流れで心が通じる、こんなケースもあるのです(もちろん、ますます悪化する関係もありますが)。
まだ結婚して5年ほどですね。現在の行き違いにいちいち過剰反応しないのも一方法です。
生活習慣や価値観の違いを、悪意と誤解しないように
会話していた同じ内容を、直後に届いた手紙で読み返すと、さらに意味が深く理解できる場合が多いものです。私はあなたのメール文を、勝手に割愛させていただきましたが、あなたの苦悩や心情が、痛いほど伝わってくるものでした。夫人にも文章にして、あなたの消え入りたい心境を伝えるべきだと思いました。
人によっても違いますが出産直後は、疲労困ぱい中のナメクジのような状態です。飛行機で来る姑のお見舞いがわざわざ退院日なのは、判断ミスです。母上は簡単に考えたかもしれませんが、出産経験者としてそれは気遣うべきでした。でも致命的な失敗ではありません。
あなたの弁護をすると、「そんなに腹が立つなら『大丈夫?』といわず、『その日は外して』とはっきり言えばよかったことでしょう。母親にすれば、水臭いと言われないよう、急いで来たつもりだったかもしれません。
お寿司を食べたのがそこまで腹立つなら、こんなときに役立ってもらうように、不便なのに妻の実家近くに住まいを構えたのではないでしょうか。普段寂しい思いをさせている滅多に来ない母親を送って傍にいなかったことが、そんなに悪いことか」となります。
でも今はそんなことを言ってはいけません。生活習慣や価値観の違いを、悪意と誤解しないでほしいこと。これからも想定されるトラブルは、自分を何らかの形で喪失してでも譲れないことか。
後で怒るより事前に正確に相談することで、行き違いを回避する努力を双方ができるか、などを真摯に文章で伝えるべきです。反省と逆恨みだけでは、前に進みません。
夫人側から誠意ある返事がなければ、その結婚生活に出口はありません。力強く別の人生を歩むべきです。退院の日にあなたの不在を怒った夫人は、あなたが思っておられるほどあなたに冷めた人ではありません。一方で、あなたの運命を、唯一握っている人でもありません。
この世から消えては絶対いけません。子どもさんや母上の一生の悲しみも考えてください。
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