「地主系」お金持ちの知られざる本当の生活 実像は庶民が抱くイメージどおりではない

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一方、「積極タイプ」の地主は、ビジネス感覚を持っています。資産を守るだけでなく、「資産を増やす」ことにも前向きです。賃貸物件を所有するときも、稼働率、空室率などを考慮に入れながら、アクティブに経営をしています。物件を所有するときも、計画的です。土地を持っているからといって、むやみにアパートを建てることはありません。その土地が人口減少地域にある場合、空室リスクが大きくなるからです。

「積極タイプ」の中には、所得税対策のために、「不動産管理会社」を設立して「社長兼地主」になる人もいます。妻や子どもを役員や従業員にして不動産管理会社をつくり、その会社に管理料を支払う。すると、給与として所得を分散させることができます。所得税は累進課税(収入が高い人ほど税率が高まる方式)ですから、所得を分散させれば、税率は下がります。

驚くほど質素で地味なライフスタイル

『お金持ちはどうやって資産を残しているのか?』(あさ出版)。画像をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

この「地主系」のお金持ちのなかで、とりわけ「現状維持タイプ」は、いわゆるお金持ちのイメージとは、真逆です。服装や車といったものには、あまりこだわりがないようです。例えば、ご自宅にお邪魔すると、ラフな格好で過ごし、車も国産の軽自動車や、事業を営んでいる方であれば、軽トラックに乗られていることも少なくありません。生活も派手と言うよりは、地味で、旅行などに出かけることもほとんどないようです。ぱっと見た目は、ごくごく普通の人です。また、ご家庭を持たれていない方も多いような気がします。

とにかく代々受け継がれてきた土地を守ることが第一義であり、それ以外のことには、あまり重きを置いていないことが、そのようなライフスタイルに結び付いているのかもしれません。その一方で、税金、とりわけ土地を守るための相続税対策には、心血を注いでいます。その結果、私たちのような事務所にお声がけいただくのでしょう。

さまざまなタイプをご紹介してきましたが、「事業&投資系」というような組み合わせのお金持ちもいます。どのタイプにも共通するのは、税金が嫌いであることと、少しでも納税額を抑えたいという強い思いです。そのような「お金持ち」の情熱と活用しているノウハウに学ぶことは、「普通の人」である私たちにとっても、意味があることのように思います。

清田 幸弘 ランドマーク税理士法人代表税理士

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せいた ゆきひろ / Yukihiro Seita

1962年 神奈川県横浜市生まれ。明治大学卒業。横浜農協(旧横浜北農協)に9年間勤務、金融・経営相談業務を行う。資産税専門の会計事務所勤務の後、1997年、清田幸弘税理士事務所設立。その後、ランドマーク税理士法人に組織変更し、現在13の本支店で精力的に活動中。立教大学大学院客員教授。急増する相談案件に対応するべく、相続の相談窓口「丸の内相続プラザ」を開設。また、相続実務のプロフェッショナルを育成するため「丸の内相続大学校」を開校し、業界全体の底上げと後進の育成にも力を注いでいる。

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