「地主系」お金持ちの知られざる本当の生活 実像は庶民が抱くイメージどおりではない
③の「投資系」は、不動産投資や株式投資などで、キャピタルゲインを得ています。いわゆる「サラリーマン大家」は、投資系に入ります。サラリーマン大家は、都心部や中核都市の賃貸専用物件を購入するケースがほとんどです。金融機関からの融資を利用し、キャッシュを生み出すビルや賃貸物件を購入しながら、利益を拡大していきます。株式投資で大きな利益を得た人が、相続税対策として賃貸物件を持つケースもあります。最近では、ネット証券の普及にともなって、多くの個人投資家がデイトレードをしています。
「地主系」という資産家の実像
①~③のお金持ちについては、本を書いていたり、マスコミに登場したりすることも多いので、どのような人物像か、なんとなくイメージできるのではないでしょうか。その一方で、メディアなどでほとんど紹介されないのが、④の「地主系」です。
「地主系」は、資産のほとんどが、先代から引き継いだ「土地(不動産)」です。現預金や有価証券はそれほど持っておらず、質素で堅実な生活をしている方が少なくありません。更地を持っていても収入にはなりませんから、アパートやマンション、貸し駐車場などの「賃貸経営」で土地を活用し、不労所得を得ています。農業や商店を本業としながら、実質的な収入は、賃貸経営で得ている地主もいます。私たちのお客様の中で、もっとも多いのがこの「地主系」です。年齢は比較的高く、60〜80代。総資産が「10億円以上」の方もいらっしゃいます。
「地主系」の実態を細かく見ていくと、「現状維持タイプ」と「積極タイプ」に分かれます。どちらのタイプも土地を活用して収入を得ていますが、その目的が違います。
• 積極タイプ/資産を「増やす」ことが目的
「現状維持タイプ」の目的は、「資産(自分の土地)を守ること」です。「土地は代々受け継ぐべきもの」と考えていて、「引き継いだ土地を、次の世代に引き渡す」ことに主眼を置いています。「土地を活用して資産を増やす」というより、相続税対策や、固定資産税対策のために、アパマン賃貸経営や駐車場経営をしています。このタイプには、少数ですが、賃貸経営などはせずに、持っている土地を「切り売り」しているだけの人もいます。
あるお客様の一族は、かつて、所有する土地が100カ所以上あり、総資産が「100億円」を超えていました。代々、土地を切り売りして生計を立ててきましたが、それでも依然として、「50億円以上」の資産が残っています。「地主はお金持ち」と思われていますが、土地を運用していない人(土地を持っているだけの人)の収入は、それほど高くありません。年間400万~500万円程度の地主もたくさんいます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら