「安倍総裁の任期」、実質的には「安倍首相の任期」が伸びることを、われわれはどう評価したらいいのだろうか。
「事の政治的な当否」は別として、マーケット的には、安倍首相の任期延長はプラス材料だ。
もし「2期6年」で交代の場合、どんな可能性があるか?
金融緩和を主たる手段として、インフレ率「2%」の達成を目指すとする経済政策がアベノミクスの骨子だが、これを「撤回する」という可能性が浮上すると、金融市場には相当に大きな影響が出るだろう。
元のルール通り2期6年で安倍総裁交代ということになる場合、財政緊縮論者が総裁・首相になる可能性が出てくるし、金融緩和政策が撤回されるリスクが意識される。
具体的には、為替レートが円高に振れるだろうし、株価は大幅に下落するだろう。日銀が現在の政策から撤退することが現実味を帯びると、先般の政策変更で「ゼロ付近」に固定することを目標とすると発表された長期金利(10年国債の流通利回り)も、跳ね上がる可能性がある。
ちなみに、長期金利の急上昇とは「国債価格の暴落」を意味するが、年金基金や生命保険会社など長期の負債を持つ主体にとっては、負債の時価評価が下落するのでプラスになるのだが、長期債を含む有価証券運用に傾斜した銀行の中には経営状況が危うくなるものが現れてもおかしくない。
また、別のケースとしても、長期金利の急上昇は、インフレ率が2%の目標を十分達成した場合に問答無用で起こりかねない事態なので、投資家のみならず、普通の個人もこのリスクには備えておく方がいい。
個人の防衛的な資産運用としては、地銀(預金に対する有価証券運用比率が高い)などの預金にお金を置いておくよりも、個人向け国債の変動金利10年型でも買っておく方が安心だ。
「個人向国債・変動10」は、①銀行預金よりも安全で、②長期金利が上昇しても元本割れしない、③最低保証利回りの0.05%(年率、税込み)が多くの銀行の定期預金よりも有利、という3つのメリットがあり、リスクを取りたくないお金の運用先としては突出して優れている。
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