「クリントン大勝」で米政府は大きく変わる!

上院で過半数を支配する意義は大きい

クリントンが大統領選に勝てば、上院の50対50の賛否同票は副大統領の票によって決着が付くので、民主党は上院で過半数を占めるのに4議席取ればいいということになる。すでにウイスコンシン州、インディアナ州、イリノイ州における上院選はすべて民主党候補優勢に傾いているほか、ニューハンプシャー州やペンシルベニア州、ノースカロライナ州も民主党員が上院を取る可能性が高くなってきている。

上院で民主党が過半数を取ることができれば、クリントン政権にとって大きな助けとなる。クリントンが米議会に法律制定を含む議案を通しやすくなるほか、自身が政権に加えたい人材も採用できる。新政権の上級職を担うために政府に加わる約4000人のうち、約1000人は上院の承認が必要となるからだ。この1000人には、大臣、副大臣、次官、次官補、さらに大使候補が含まれる。上院で民主党議員が過半数を占めることになれば、共和党議員に妨害される可能性は低くなり、クリントンが希望する政府高官を任命できるわけだ。

50年振りに民主党優勢の連邦最高裁に

また、米連邦最高裁判所の裁判官を指名するにあたって、上院で否決される可能性が低くなるというのも大きい。連邦最高裁は、大統領の決定や議会で通過した法案さえ覆すことができるなど、米政府における影響力は大きい。たとえば、混乱に陥った2000年の米大統領選挙では、最高裁の判決が、最終的にジョージ・W・ブッシュ・テキサス州知事の勝利を決定づけた。

リチャード・ニクソン大統領がワーレン・E・バーガー氏を最高裁判所長官に指名した1960年代後半以来、連邦最高裁は共和党が指名した判事が過半数を占めてきた。今回クリントンが大統領に選ばれれば、少なくとも、70代後半と80代前半という高齢の判事2人を入れ替える機会を得ることになる。

これによって、「5対4」もしくは「6対3」で50年振りに民主党勢力が過半数を占める最高裁が生まれることになり、医療保険、教育、気候変動、選挙運動資金調達、銃規制、移民法改正、その他多くの重要な社会政策において、クリントンは力強い後ろ盾を得るはずだ。

一方、下院は現在、247人の共和党員と188人の民主党議員で構成されており、民主党が今回の選挙によって過半数を獲得することは難しい。ただ、中にはナンシー・ペロシ下院内総務のように、トランプのスキャンダルによって下院でも民主党が過半数を支配できる可能性があると考えている民主党員もいる。

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