マツダ「CX-3」がイマイチ売れていない理由 ディーゼルへのこだわりがもたらした誤算

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トヨタ「C-HR」

CX-3と同じクラスには、このあとトヨタ自動車が「C-HR」という新型車を2016年内にも国内で発売する予定だ。ヴェゼル同様にハイブリッド車を用意するうえに、デザインが斬新で、事前の評価は高い。現状のままではCX-3にとって厳しい戦いが予想される。

マツダの販売姿勢は、安ければ安いほど良いというこの国の一部の消費者心理を是正し、モノにはすべて適正価格があることを伝えていく意味では正しいと思うが、エントリーモデルに相当するガソリン車がないのはやはり不利である。間口は広く取っておいたほうが望ましい。

海外では「CX-3」のガソリン車もある

海外のマツダ

そこで海外のいくつかの国のCX-3の状況を見ると、ガソリン車もある。ところが排気量は2Lと、車格に対しては不相応に大きい。これが日本でディーゼル専用車となっている理由のひとつかもしれない。車格を考えればデミオやアクセラに積まれている1.5Lがふさわしい。

CX-3の車両重量は、同じエンジンを積むアクセラより100kg近く軽い。筆者は以前、アクセラの1.5Lガソリン車に乗って、軽快な走りっぷりに感銘を受けた記憶があるから、少なくとも2WDならCX-3でも問題ないはずだ。

CX-3のインテリア

CX-3は躍動感あふれるデザインとシュアな走りを備え、昨年の改良で懸案だった乗り心地も改善された、すばらしいコンパクトSUVだと思う。だからこそマツダには、このクルマをより多くの人に体感してもらうためのステージづくりが課題となっている。

森口 将之 モビリティジャーナリスト

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もりぐち まさゆき / Masayuki Moriguchi

1962年生まれ。モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。著書に『富山から拡がる交通革命』(交通新聞社新書)。

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