妄想全開の女子中学生
セーラー服の女の子たちを撮った『女子中学生』も専門学校時代のシリーズだ。親しくなった近所の女子中学生を寮の自室に招き、アイスを食べたり、ごはんを食べたりしながら撮影した。展示室に並ぶ他のカットは、頭にパンツをかぶっていたり、股間に大根をはさんでいたり、大変なことになっている。
「女の子だけの世界で、性への憧れや妄想がうずまいている。展示室に入ってきたおじさんたちはバツが悪そうにしていて、5分以上いる人はまずいない。逆に女性は一点一点ゆっくり見ていますね」と福士さん。
『女子中学生』シリーズはアラーキーこと荒木経惟さんに認められ、梅佳代は大いに勇気づけられたという。中学生の背後に写っている梅佳代の部屋の様子にも注目したい。
“写真界の芥川賞”受賞作
梅佳代は2006年に最初の写真集『うめめ』を出版し、写真界の芥川賞といわれる木村伊兵衛写真賞を受賞した。表紙を飾ったのが次の作品だ。
女の子が仰向けになって何かを見つめている。腕に抱えた「じゃがりこ」は全部こぼれてしまっているのに。「数秒後にはお菓子がこぼれたことに気付いてエーンと泣き出すことが想像できます。ウメさんは子供を撮るとピカイチ。子供はこういうもの、かわいいでしょう、と押し付ける感覚はまったくなく、子供と同じ目線、同類意識で撮っている」。
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