全国にくすぶる再編の火種 生き残りを懸け止まらぬ地銀再編

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取りざたされる次なる再編の候補

再編が相次ぐと、次はどこかとつねに取りざたされるもの。注目すべき点は、メガバンクグループとのつながりだ。泉州銀は三菱UFJフィナンシャル・グループ(旧三和銀行)の子銀行で、池田銀はみずほコーポレート銀行(みずほCB)とも親しかったが、三菱UFJから増資引き受けを取り付けた。荘内銀と北都銀はみずほCBが大株主で、今回の経営統合でも仲介役を果たした。両行は統合に向けて「オープンプラットフォーム型」を提唱し、他の地銀の参加も呼びかけており、東北地方のみずほCBと親密な地銀にも注目が集まる。みちのく銀行や仙台銀行の決算会見ではそうした質問が相次いだ。

メガバンク側でも資金的、人的支援の要請を想定している。そのようなつながりから取りざたされているのが、愛知銀行と中京銀行だ。愛知は旧三菱銀行、中京は旧東海銀行と親密だった。公的資金を抱えて財務的にやや弱い岐阜銀行の行方も焦点となる。実際、公的資金を肩代わりしてもらう形で支援を受けるケースも複数ある。和歌山銀行を紀陽銀行が、もみじホールディングスを山口銀行が事実上救済したのがそれに当たる。

また広島銀行を中心に山陽・山陰地域も再編のうわさが絶えない。ほかにも、北関東には財務的に厳しい第二地銀が多い。1県に第一地銀が二つ、第二地銀が二つあるなど、銀行が過剰な地域は動きがありそうだ。

一方、横浜銀行や千葉銀行、静岡銀行のように、地元の景況も比較的良好でよい顧客基盤を抱え、財務内容も健全な地銀は、安易に統合や合併には動かない。救済によって悪い資産を抱え込むより、まずシステムの共同化や商品の共同開発でコスト削減をしたほうがよいという考え方からだ。その意味で緩やかな業務連携も拡大している。

ただ、統合・合併は将来の道州制をにらみ大きく動くとみられており、再編はまだまだ続きそうだ。


(大崎明子 =週刊東洋経済)
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