全国にくすぶる再編の火種 生き残りを懸け止まらぬ地銀再編

地方銀行再編が本格化し、その動きが全国へと広がっている。今年2月には、大阪で泉州銀行と池田銀行が経営統合の方針を発表。5月には東北で荘内銀行と北都銀行が、統合に向けて資本提携することを決めた。荘内銀行の町田睿頭取は「資金量が増えれば経費率が下がる。スケールメリットは大きい」と期待を寄せる。

相次ぐ地銀の再編 二つのマイナス要因

近年、多くの地銀が合併や統合に踏み切る理由は大きく二つある。

まず、地元での資金需要が乏しいこと。言い換えれば、資金余剰で銀行が過剰な状態にある。特に地方では、預金は集まるものの、肝心の貸出先がない。いきおい金利ダンピング競争になり、利ザヤは薄く、儲からない。無理に貸し出せば不良債権が増えてしまう。さらに、証券運用で無理をすれば、サブプライム問題のように投資損失を被る。

そこで経営統合に踏み切り、スケールメリットによって収益性を改善し、優位に立ちたいという動きが出てくる。近年、「広域再編」も増えている。県を越えた再編ならば貸出先がバッティングせず、合併後に貸出先からのシェア調整にも合わない。リスク分散ができるというメリットを狙っているわけだ。

もう一つは、当該銀行のいずれかが財務面での問題を抱えていること。金融システムを揺るがすような大企業向け不良債権の問題はひとまず解消したとはいえ、地方にはまだ不良債権比率が高い銀行がある。地銀64行、第二地銀45行計109行のうち、32行が不良債権比率5%以上であり、7%以上は10行あった(2007年9月期、金融再生法基準)。

引当金を積んでも長年の取引関係から債権を売却できず、ズルズルと財務内容が悪化するケースが多い。また、地元経済の疲弊から業況が急激に悪化し、新たに不良債権化する貸し先も後を断たない。そうした銀行は、地元の競合相手に比べて顧客基盤が弱く、正常債権を増やすことが難しい。不良債権処理をしようとすれば資本不足に陥るため、結局はどこかの支援が必要になる。

08年3月期の銀行決算は、メガバンクを中心にサブプライム関連の金融商品への投資による損失が膨らんだ。地方銀行も株価下落に伴う減損処理で、大きく利益を落としたところが目立った。

しかし、最大の誤算は政策金利の引き上げが思うように継続しなかったことだ。その原因は、国際金融市場の混乱と、内需が弱く日銀が期待したほど消費者物価が上がらなかったことの両方にある。06年7月と07年2月の0・25%ずつの金利引き上げは、逆に利ザヤの悪化をもたらし、多くの地銀の首を絞める結果となった。つまり、金利引き上げで預金金利は直ちに上昇するが、貸出金利の引き上げ交渉は遅れるうえ、資金余剰状態にあっては交渉自体が難しい。

金利が上がらず企業の倒産件数も増加し、09年3月期の銀行の業績予想は軒並み減益。暗い見通しの中、背中を押される地銀が出てくる。

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