SNSが「ファッションショーの常識」を覆した より派手に、よりタイムリーに

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「消費者の関心を得るために一生懸命に取り組んだブランドにとって、春に商品が店頭に並ぶときには、それはもう過去の出来事のように感じてしまうのだろう。実際はそうではないのに」と、ラグジュアリーブランディングエージェンシー、ロニーの創業者のロニー・ゼイダン氏はいう。

「個人的な問い合わせに限定するコミュニケーションは伝統回帰だ。プレスを通してのコミュニケーションで十分。そして消費者には直接語りかけない。商品が店頭に並んでいない場合は、インスタグラム投稿などしない。無意味な欲望を作り出す必要はないからだ」

ゼイダン氏は個人的な問い合わせによって、ブランドのソーシャルメディアの投稿を、現在入手可能な商品のみに焦点を当てていることができているというが、この戦略はブランドが消費者からの注目を集めるチャンスを逃すリスクを犯している。

「消費者は、あまりに早い段階にソーシャルメディアで物事を見聞きしていることは事実だ。しかし、ファッションウィーク中に存在感を示せないと、ほぼ存在しないも同じである。ニューヨークファッションウィーク中に意見を共有することは重要だ。そうしなければ、ほかのブランドが代わって消費者にエンゲージする」と、リヒト氏は述べる。

圧倒的な変化をもたらすソーシャル

非常に多くの変数があるため、ファッションショーの新しい形はひとつではない。CFDAがその報告書でそのような結論に至り、次ように記している。「最終的に、自分たちにとって何が一番効果的なのか判断をするのはブランドであり、CFDAはデザイナーが自らのコレクションにとって正しいことを試し、定義するときに、彼らを支援するつもりだ」。

業界全体のガイドラインの欠如は、これまで以上に今シーズンでより明白になった。ファッションウィークに関して、すべてのブランドが同じ方程式に再び従うようになる可能性は低いだろう。ゼイダン氏によると、ブランドのショーは、いま見たコレクションをすぐに買うというビジネスアプローチを、どの程度まで認めるつもりかによって、ショーへの依存度が変わってくるという。また、ブランドの予算とソーシャルメディア戦略にも影響されることになる。

「ファッションは、変化がすべてである」と、LDJプロダクションズのデジョン氏はいう。「それは圧倒的だ、そして我々がもつ選択肢について議論することに多くの時間を費やしてきた。現在できることに制限がないのは良いことだ」

Hilary Milnes(原文 / 訳:Conyac)

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DIGIDAY[日本版]編集部

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