「アホノミクス」が5つの悲劇を引き起こす!

浜矩子がアベノミクスに反対する理由

バブルは起こるがデフレは終わらず

――具体的には、どのようなリスクが考えられるのでしょうか?

私は最悪の場合、アベノミクスによって「5つの悲劇」が起こる可能性があると考えていますが、第1の悲劇は「デフレ下のバブル経済化」です。

メディアでは「この金融緩和をきっかけに、設備投資や消費拡大が起これば、日本経済は本当の意味で、復活する」といった報道がなされていますが、これは間違いです。

安倍政権と日銀の「チーム・アベ」が目標とするのは、バブルによるデフレ退治です。つまり、彼らは企業が設備投資を拡大したり、私たち庶民の消費が拡大したりすることを、そもそも狙っていないのではないかとさえ思えてしまいます。

この金融緩和の結果、株や不動産などの資産、すなわち「カネの世界」だけがバブルに沸き、私たち庶民の毎日の生活に関係する「モノの世界」ではデフレが続くという、本来ならば起こりえないはずのことが、日本経済で起こってしまうのです。

もうおわかりでしょう。

結局のところ、この政策で恩恵を受ける個人は、差し当たり株や不動産を持っている人つまり、ごくごく一部の富裕層だけということになります。

しかも、さらに怖いのは、富裕層ではない人々も、今の調子であおられれば、投機性の強い株や不動産に手を出してしまうかもしれないということです。超低金利の中で、おとなしい投資をしていたのでは収益が上がらない。将来に備えて、この際、アベノミクス相場に乗ってみようか。そのような発想で、いわば「生活防衛型投機」へと普通の市民たち、生活に不安を抱える市民たちが誘導されてしまうのが恐ろしい。そのような流れが形成されたところで、アベ・バブルが崩壊した時が悲惨です。

痛い目をみるのが安倍政権だけならいいですが、そうは問屋が卸しませんからね。

次ページ「好景気」の終わりは、いつ来る?
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