更には、管理者も当事者も「忙しいのだから仕方がない」という結論付けをして、現状を変えようとしないのが現実です。
「業務量が多い」「仕事が終わらない」のは、物理的な原因であり、対処しようがないと半ばあきらめてしまっているように感じます。
希薄な人間関係は、仕事の「質・量」に影響する
しかし、実は、仕事の質や量の多さに負担感があることの背景には、人間関係の悪さが影響していることも多くあるのです。「きちんと指導が受けられていない」「引継ぎがうまくできず、業務内容を正確に理解できていない」という状況では、仕事の質も効率も、悪くなるのが当然です。また、「周囲のサポートを受けられないために、一部の人に過剰に負担がかかる」「スムーズな連携が取れないために仕事が滞り、結果的に負担が増える」という風に、必要以上に業務量が増えることもあります。
職場のコミュニケーションを見直すだけで、こうした問題の多くは改善されます。実際、私の研修では、一方的な講義ではなくグループディスカッション形式を取っています。講演形式でも、近くに座った方との簡単なワークは必ず入れています。すると、純粋に研修内容を身につけていただくだけでなく、「いつも話ができない人と話せた」「普段メールでやり取りしている人の、人となりがわかって安心した」「研修の後、廊下で会った時に挨拶を交わすようになった」などと、その後の業務に好影響を与える結果が出ています。
同じ職場にいても、どんな人かよくわからなければ警戒して当たり前。ちょっとしたきっかけが必要なのです。昔のように社内で旅行や運動会を実施する企業は希少ですし、雇用形態が多様化したことから、人の入れ替わりが頻繁だったり、メールで文字だけのやり取りだったりするとなかなか関係性を構築することはできません。
今回のストレスチェックの結果から、職場で気軽に相談できる関係性が、業務の量と質の改善に大きく役立つことを、ひいてはストレスの軽減にもつながることを、是非とも感じ取って欲しいと切に願います。
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