「円安」から「ドル高」に、ドル円は105円へ 市場動向を読む(為替)

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今回もこれと同じサイクルを継続するのであれば、米ドルインデックスは2011年の安値(2008年の安値から3年)を起点に、実は既に長期米ドル高局面に入っているということになる。ニューエコノミーに相当する投資テーマは、言うまでもなくシェール革命など北米エネルギー革命となるだろう。

さて、こうした長期的視点を持ちつつも、現実的に今回の米ドル高の目途をどこまで見れば良いのか。過去5年ほど、米ドルの通貨インデックスは156週(3年)移動平均線を中心にプラスマイナス2σ(シグマ)のバンドの範疇で推移してきた。プラスマイナス2σ(シグマ)のバンドは統計学的にみて、バンド上限を超えるようなドル高やバンド下限を下回るドル安の可能性が極めて少ないことを意味する。

当面のドル円の上値メドは105円前後が妥当

上記のような長期ドル高期待はともかく、中短期的な観点では、そのバンド上限が今回のドル高の限界になると考えられるが、現在、そのバンド上限まで残すところ1.7%強となってきた。(1)米ドル通貨インデックスで1.7%の上昇は、ドル円で言えば104円台後半に相当する。

(2)一方、ユーロなど他通貨に対する米ドル高が進まない場合、1.7%の米ドル通貨インデックスの上昇を円の下落だけで達成することになる。インデックスに占める円のシェアが13.6%であることを考慮すれば、この場合、ドル円は12%ほどのドル高円安になるはずで、115円台が上値メドとなる。

現実的には、(1)の104円台と(2)の115円台の間のどこかを想定するのが妥当だろうが、ドル円が米ドル通貨インデックスとの相関を回復し始めた3月以降、米ドル通貨インデックスが1%変化する時、ドル円は1.8%ほど変化する傾向がある。従って、(3)米ドル通貨インデックスがさらに1.7%上昇するなら、ドル円は3.0%ほど上昇するはずだ。そうするとドル円の上値メドは106円台との計算になる。当面については、105円前後を上値メドとして想定するのが妥当だと思われる。

高島 修 シティグループ証券チーフFXストラテジスト

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たかしま おさむ

1992年早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)入社。99年から為替資金部で欧州担当、米国担当アナリスト、通貨オプションセールスを歴任。2004年チーフアナリスト。10年3月にシティバンク銀行へ移籍。13年5月末からシティグループ証券に所属が移る。機関投資家から高評価受ける。

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