米国「シェール」輸出解禁、本命は大阪ガス

安価に原料調達、ガス発電にも大きな武器

契約形態の柔軟性も魅力だ。従来型の契約とは違って、今回生産するLNGは仕向け先が自由であり、欧州など向けのLNGのトレーティング業務も視野に入ってくる。国内外での需要開拓により、2020年度にはLNG取り扱い額を現在の800万トンから1000万トンへと伸ばす計画だ。

調達先拡大で、価格改定の「駆け引き」カードに

原油価格に連動しない調達先が加わる副次的効果も大きい。メジャーなどとの既存のLNG調達の長期契約では、価格指標の途中入れ替えは現実には難しい。

ならば契約期間中の価格改定でいかに有利な内容で合意できるかが、日本のガス会社、電力会社などLNG需要家にとっての課題となる。そのためにも新規契約では調達先に新規参入者も含めるなど多様化を図り、新たな価格指標の契約実績を積み重ねることが、駆け引きのカードとして大事となってくる。

大阪ガスはかねてより、フリーポート社との契約の意義として、調達先、調達指標の多様化を図れることを強調。「従来のLNG契約の更新の際には交渉材料として活用したい」と説明してきた。

今回の契約では米国の価格指標であるヘンリーハブに連動したLNG調達を行うことに加えて、将来的には、欧州の市場価格に連動した契約の取り入れも検討しているとみられる。

将来の米国産ガス値上がりを見越し、リスクヘッジも

もっとも米国産LNGが持ち込まれる2017年の時点で、従来の原油連動方式に対して、米国産が現在のように割安である保証はない。米国のガス価格が上昇する局面では、米国産LNGの価格競争力は薄れる。

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