長引く日本の不妊治療
患者の負担を軽くするには

春木院長は「30歳代半ばの方で、周期的に月経もあり、夫婦生活にも問題がない状態で1年間、妊娠しなければ、受診を検討された方が良いでしょう」と、35歳ごろを一つの節目に受診を薦める。

だが、40歳を超えると、事態は切迫してくる。妊娠率低下だけでなく、流産のリスクも高まり、43歳ごろから出産に至る可能性は急に厳しさを増すという。春木院長は「40歳代の方の場合は、時間が限られているので、早めに専門医に相談することを薦めます。1年早ければ、治療の期間、効果は大きく変わることもあるのです」と訴える。

また、不妊治療では夫の協力も重要だ。不妊の原因は、男性単独の問題が25%、夫婦双方の問題が25%で、半数は男性が関係する。春木院長は「最初から夫側の問題が分かっていれば、妻に余計な負担をかけずに済んだのにと感じたケースもありました。夫婦そろって来院していただき、精子の異常と喫煙の関係などを理解していただくことも大切」と話す。

体外受精は最後の手段
3段階で進む不妊治療

「来院されてすぐに体外受精を、ということにはなりません」と春木院長は治療の流れを説明する。今は、卵巣の老化を測る抗ミュラー管ホルモン検査で、卵子の“年齢”を踏まえた治療も可能になっている。

一般に、不妊治療の第1段階は、排卵日を予測して性交渉を持つタイミング療法。次に、採取した精液を洗浄、濃縮して子宮に注入する人工授精へ進む。これらがうまくいかない場合、第3段階の体外受精となる。春木院長は「若い方の場合は通常、半年単位で段階を進めますが、年齢が高い方や、年齢が若くても卵巣年齢が高い方の場合は3カ月単位でステップアップを考えます」と言う。

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