株価急騰 パズドラの勢いはどこまで続くか 時価総額1.5兆円を突破
この勢いはどこまで続くのか。「パズドラの勢いは少なくとも10月ごろまで持続する。いたずらに成長を追わない運営方針が、逆にゲームの寿命を長期化させている」とエース経済研究所アナリストの安田秀樹氏は分析する。
新しい成長の種もある。スマホゲームでは3月『ケリ姫』シリーズが累計500万ダウンロードを突破。今冬にはニンテンドー3DS向け『パズドラZ』を投入する。パズドラは12年11月に北米、同12月に韓国、13年4月にはカナダで配信が開始され、順調な出足を見せている。
結果的にお株を奪われているのが、モバイルゲームの分野では先行していたグリー、DeNAだ。
スマホへの特化が奏功
グリーの13年1~3月期は4四半期連続の営業減益となり、通期では営業利益が半減する見通しだ。DeNAは2四半期連続の営業減益で、国内におけるゲーム内の仮想通貨消費はサービス開始後初めて減少した。両社とも従来型携帯電話向けで成長してきたが、スマホに適した大型ヒット作を生み出せていない。
一方ガンホーは、従来型携帯電話向けへの提供は行わず、グリー、モバゲー(DeNA)へ配信していない。スマホに特化し、スマホ普及の波にうまく乗ることができたといえる。また、ガンホーは1998年の設立以来、「パソコン上のオンラインゲームで培った、課金単価を適正に保ち顧客を定着させる、運営ノウハウがある」(森下一喜社長)。それが、グリー、モバゲー上で過熱した高額課金によって疲れたユーザーを取り込んだ面もある。
今後の焦点は、パズドラの成長が鈍化したときに、新たなヒット作が補い、会社全体の成長を維持できるかどうか。森下社長は「M&Aはせず自力で成長をしていく」とサラリと語る。当面はその一挙手一投足に注目が集まることは間違いない。
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