トランプ対ヒラリー、どんどん醜くなるワケ なぜこんな泥仕合になっているのか

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9日夜の米大統領選テレビ討論会。共和党のトランプ候補が民主党のクリントン候補のすぐ後ろに立っていたり、近くで威圧的な態度を示すなど、身体的に圧力をかける動作がたびたび見られたとして、ソーシャルメディア(SNS)上で反響が広がっている(写真: ロイター/Rick Wilking)

共和党のドナルド・トランプ大統領候補が、民主党のヒラリー・クリントン候補を「嘘つき」と呼び、クリントン候補は「ドナルド・トランブは最高司令官や大統領にふさわしくない」ときっぱり言い返した。

10月9日夜の第2回のテレビ討論会で、両候補は互いの見解ではなく、その適性を叩き合った。トランプ氏は自分が当選したらクリントン氏を投獄するとまで語った。

米国人はいかにして、こんな闇に落ちてしまったのか、米大統領候補を事前にチェックするシステムに一体、何が起きたのか。答えはひとつだ。候補者をきちんとチェックするシステムが存在していないのだ。

かつては党のトップが、こうしたシステムを仕切っていた。彼らは複数の候補者を密室に連れ込み、「過去に当選を妨げるようなことがあったか」を問いただしたものだ。しかし、米国では何十年も前に、有権者が党のトップから、こうした権限を取り上げてしまった。

税金逃れや女性蔑視発言の暴露は遅すぎた

では、候補者をチェックするのは誰か。答えは報道機関だ。そして問題は、有権者の大半が報道機関を信用していないことだ。

トランプ氏に関しては、大統領選出馬を表明した当日から、大統領としての資質が疑われる数々の証拠があった。彼はメキシコからの移民を犯罪者やレイプ犯だと決めつけたが、彼の支持者はそれを意に介さなかった。政治的なアウトサイダーとしてトランプ氏は、支持者の怒りのメッセージを拡散させた。そんなことは、他の誰もやらなかった。

彼に最も打撃を与える暴露がなされるのは、遅すぎた。ニューヨーク・タイムズ紙は入手した過去の納税申告書の一部をもとに、トランプ氏が巨額損失の計上を通じ、所得税を20年近く納めていなかったと報じた。ワシントン・ポスト紙は7日、トランプ氏の過去の女性蔑視発言を伝えた。ハリウッドの娯楽ショーの司会者に対して語った冗談の記録だった。

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