衆院補選が「小池都知事人気」に染まった理由 なぜ小池知事は福岡・久留米市に行ったのか
「ここに来る途中、安倍首相に電話したら、『池袋に応援に行く』と言われた」――。安倍首相の応援を得れば、もともと優勢と伝わっている若狭氏にさらに有利になる。実はその「引き換え」として二階氏が求めたのが、前日に小池氏が福岡県第6区に入り、出馬予定の鳩山氏を応援することだったという。
衆院福岡第6区補選は麻生太郎副総理と菅義偉官房長官の官邸でのバトルが九州に舞台を移した構図。その中で、鳩山二郎氏を推す菅氏を二階氏が助太刀する形になっているのだ。なお故・邦夫氏が率いていた「きさらぎ会」は、邦夫氏の死後、菅氏が顧問に就任。同会は、早々と二郎氏を支える方針を決定した。
民進党の公認候補の鈴木庸介氏も11日午後1時に、JR大塚駅前に大物を集めた決起大会を行った。
選挙カーの前で応援演説を行ったのは、選対本部長を務める松原仁東京都連会長と連合東京の岡田啓会長。そして蓮舫代表も登場した。今回の補選は蓮舫氏にとって、民進党代表として初めての国政選挙になる。
「午前に行われた第一声を見に行ったけど、人はあまりいなかった。池袋(若狭氏)の方がずっと多いね」――。午前10時から大塚駅前で行われた鈴木氏の「第一声」を取材した記者がそう言った。午後に開かれた決起大会に集まった聴衆も、池袋の半分程度という印象だった。
野党共闘の結束は固いものではない
注目が集まるのは「野党共闘」の行方だ。果たして、今回の補選でその効果が出るだろうか。
10月5日、日本共産党は東京10区で公認していた岸良信氏の立候補を取り下げ、鈴木氏支持を表明した。ところが民進党に協力した共産党は、野党共闘の中で冷遇されているようだ。決起大会で蓮舫氏の挨拶が終わった頃、聴衆の中を共産党の笠井亮衆院議員が通り過ぎた。おそらくは共産党の立場から、様子を見にきたのだろう。しかし挨拶の機会は与えられなかった。
そんな野党の状況をよそに、「小池マジック」はますますパワーアップし、それに乗じた自民党はいよいよ血気盛んだ。年明けと噂される解散総選挙の準備を着々と整えつつあるのかもしれない。
小池マジックは、五輪予算問題や築地市場移転問題が注目されている今だからこそ、絶大な力を持っている。追い風として使えるのであれば、徹底的に使う手練手管の自民党は、足並み乱れる野党共闘が太刀打ちできる相手ではなさそうである。
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