トヨタ「C-HR」、発売前から大ヒットの予兆 「すでに納期は2017年4月以降」との声も
C-HRの発売に先立ちメーカーから販売現場へはSUVだけでなく、クーペ目線での販促も進めていくような話がされているようだ。
9月上旬の仮予約開始前後には、トヨタで絶版になっている2ドアクーペである「セリカ」や「スープラ」など、目ぼしい代替え車種がなく歴代のクーペモデルを長期保有しているユーザーなどへも積極的に販促アプローチするようにとの指示を本部が出しているディーラーもあったと聞く。
日本の消費者にどこまで受け入れられるか
さらに事情通によると「海外ショーなどでC-HRの実車が出品されるようになると、“コンパクトというにはボディサイズが大きく見える”と販売現場では心配する声も出たそうです。全長はともかく写真で見ても幅が広いのは明らかでした。実際は全幅が1800㎜以内に収まりました。前方視界がよく、全幅1800㎜を感じさせないほどボディの見切りは良いようです。ただ、スタイリングやリアサイドウインドウが小さかったりもするので後方視界はかなり犠牲になっているようです」。
しかもラゲッジルーム容量は少なく、ゴルフバッグが1セットしか入らない。「SUVというよりは、クーペを売るようなイメージを持って販促に臨むように本部からは言われています。メーカーは相当走行性能にも自信があるような話もしているようです」とは某トヨタ系ディーラーのセールスマン。
日本国内でメーカーが想定しているライバルはマツダ「CX-3」とホンダ「ヴェゼル」、そしてスバル「XV」となる。この3車でクーペSUVのイメージを持つヴェゼルは2016年1月から9月までの平均月販台数が約6500台となる大ヒットモデルなので、C-HRの最大のライバルはヴェゼルといえよう。ヴェゼルは海外では「HR-V」という車名で販売されており、中国と北米の主要市場では大ヒットを飛ばしている。ちなみにスバルXVも、例えば北米市場で月に8000台前後を販売する大ヒット車となっている。
販売現場でもかなりの期待が持たれているC-HR。やはり気になるのはその価格設定となるだろう。前出のセールスマンによると、「ハイブリッド仕様で支払い総額350万円ぐらいなら十分イケる」と話してくれた。もうひとつの懸念材料はキャラクターが特化しているところ。ラゲッジルーム容量や居住性能を犠牲にして、スタイリングや走行性能の高さを極めたキャラクターになっているので、“マルチユース(なんにでも使える)”を好む日本の消費者にどこまで受け入れられるかということだ。
海外マーケットではRAV4が存在するので、「C-HRはちょっと使い勝手が……」という話が出れば、RAV4を勧めればいいが、日本国内ではRAV4はラインナップされていないので、マツダ「CX-5」などその時点で他メーカーへ流れてしまうこともあるかもしれない。
SUVが一過性のブームを終えて、販売の中核車種となっている世界の主要市場では、コンパクトSUVクラスではここまでクーペSUVに特化したモデルもいないので、ヒットはほぼ確実といえる。ただし“ガラパゴス市場”である日本では、現在そこまでSUVのニーズは期待できない。ただ日本では若年層よりセミリタイアやリタイア層のほうが趣味性の高いクルマには積極的な興味を示しているので、C-HRがどこまで消費者マインドを刺激して、需要を取り込んでいけるのかは、今後注目すべきところといえるだろう。
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