もちろん、テレビなどの一般メディアは、株価に注目する。5年ぶりの高値更新となり、世の中の人々の雰囲気は明るくなる。一方、金融関連のニュースを中心としたニュースサイトなどは、国債急落を繰り返し報じる。4月4日の「クロダノミクス」の登場から、生保の今後の投資行動への推測は何度もニュースとなったが、彼らが日本国債を買うか、外債へシフトするか、それも、為替ヘッジを付けずに外債投資をするかどうか、注目を集めている。
株の上昇過程では、債券価格下落は問題でないことも
さらに、今回の国債急落は、長期的な暴落トレンドの開始としては、あまりに早すぎるタイミングであるため、金融関係者の間では、最も危険な兆候として恐れられている。
このとき重要なのは、株価が急騰する中で、国債が急落していることだ。株価が上昇する中での債券の下落は、金融市場にとってダメージにならない可能性がある。その理由は、3つある。
まず、株価上昇と債券下落は連動している可能性があり、債券は株価が上昇した結果として、下落しているならば、債券に対する見方が悪化したわけではないからだ。
一般的に、株価上昇と債券下落が連動するルートは2つある。
第1に、期待インフレ率が上昇した場合だ。将来のインフレを織り込んで、株価は上がる。一方、名目金利とは、期待インフレ率と実質利子率の和だから、実質利子率が変わらないのであれば、期待インフレ率の上昇は、名目金利の上昇に直結する。したがって、名目金利が上昇し、債券価格は下がる。
第2の可能性は、株価が上がるという予想の下に、株式を買う資金を得るために、債券を売っている場合だ。だから、債券は下がり、株は上がる。
第1のケースが、政府や日銀が想定している金融緩和の効果だ。そして、これが、将来の実体経済の景気回復を見込んで、その結果としてのインフレ予想の上昇なら、株価上昇、期待インフレ率上昇で、むしろいいことづくめだ。その結果として、名目金利が上がってしまい、債券は下落することになるが、これは異常な低金利の金利正常化の過程として、景気回復時には通らなくてはならないプロセスだ。
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