「いきなり!ステーキ」が初値下げをしたワケ 主力商品をグラムあたり0.5円値下げ
「近年、フードコートのあり方が変わってきているのも大きい。昔は軽食中心。今は大型商業施設もフードコートに力を入れるようになってきている。たとえば牛たんの店などグレードの高い店が入っており“いろいろなものが食べられる楽しい場所”としてとらえられるようになった。イスやテーブルも、品質のよいものを使っている」(川野氏)
フードコート店ならば、出店にかかるコストも低くて済む。今後も出店スピードには拍車がかかりそうで、10月に出店する4店舗のほか、年内に北海道、岩手、佐賀などへの路面店やフードコート店の出店が決まっている。
3.他企業とのタイアップ
さらに裾野を広げるための戦略が、他企業とのコラボレーションやタイアップだ。さらなる知名度の向上、新規客の開拓が狙い。7月には赤坂サカスの食イベント「デリシャカス2016」に、TBSの人気番組「王様のブランチ」とのコラボ店舗を出店した。そのほかのタイアップ・コラボレーションの対象としては旅行代理店や、11月から公開されるラブストーリー映画、フィットネスクラブなど、広範囲にわたっている。
なお、前述のコラボ商品「王様のステーキ」は、現在「トマホークステーキ」という商品名で限定店舗で販売されている。10月からは対象店を20店舗に拡大しており、11月からは全店舗での提供予定だ。骨付きリブロースという種類の肉で、骨の重量を入れて600~700グラムに及ぶ巨大なステーキ(1グラム6円)だが、1日に、店舗で平均10個は売れるという。なんと、「シェアして食べる人はいないように思う」(川野氏)そうだ。
このようにさまざまな戦略から見て「非常識度」はちょっと下がってしまったものの、万人にアピールするレストランへと変貌を遂げようとする、「いきなり!ステーキ」の姿がうかがえる。
しかし、同チェーンの舞台はいよいよ世界へと広がる。ニューヨーク店は工事が遅れ、開業時期が当初計画より延びてしまっているものの、12月10日に店舗竣工、年内の開店が予定されている。
「“立ち食いステーキ”のスタイルを現地の人に説明すると苦笑されますが、そんなのは全然気にしません。日本でも最初はそうでしたし」(川野氏)
「いきなり!ステーキ」流の非常識経営がニューヨークで受けるのかどうか。外食界からの注目が集まりそうだ。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら