三菱重のMRJと海外のライバルを徹底比較 老舗2社との勝負が成功を左右

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 実績面で大きなハンデ 待たれる機体の完成

空間を広めに取るための薄型座席、中型のローラーバッグがすっぽりと納まる頭上収納スペースなどは、ほかの機種にはないMRJの特長である。こうした配慮が利用者から好評を博せばリピーターが誕生し、MRJを導入した航空会社に大きな価値をもたらすことになる。

MRJがセールスポイントとする優れた経済性と環境適合性、客室の快適性、そして高い安全性は、いずれも航空会社にとって極めて魅力的な要素だ。ただ、MRJは完成していないため、今はまだそうしたさまざまなうたい文句を実証するすべがない。

加えて、三菱航空機としてはこれが最初の旅客機なので、航空会社からすれば評価がなおさら難しく、それが現在のMRJにとっての大きなハンデとなっている。新規参入組も含めて実機がないのはMRJだけであり、受注機数を伸ばしていくためにも、機体の早い完成が待たれているのである。

青木 謙知 航空ジャーナリスト

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あおき よしとも

195412月、北海道札幌市生まれ。19773月、立教大学社会学部卒業。19841月、月刊『航空ジャーナル』編集長に就任。19886月、フリーの航空・軍事ジャーナリストとなる。

航空専門誌などへの寄稿だけでなく新聞、週刊誌、通信社などにも航空・軍事問題に関するコメン トを寄せている。著書は『F-15Jの科学』『F-2の科学』『中国航空戦力のすべて』『徹底検証! V-22オスプレイ』『ユーロファイター タイフーンの実力に迫る』『第5世代戦闘機F-35の凄さに迫る!』『F-22はなぜ最強といわれるのか』(サイエンス・アイ新書)など多数。日本テレビ 客員解説員。

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