ただここで辞意を翻しては、せっかくの固い決意も意味がありません。
どれだけ慰留を促されても、丁重な態度で臨むことが大切です。
そこでイライラして、「こんな医局にいても成長できない!」とか「教授の人間性に我慢がならん!」なんて本音(?)を言ってしまったら、もう大問題となります。医局の力というのは昔から比べると弱くなったかもしれませんが、まだまだ派遣病院というのは数多くありますし、何より医師の世界は狭いのです。その大学が位置する都道府県において、医科大学の教授は医療界に対して一定以上の影響を及ぼす存在です。
教授を怒らせるような退局理由を言ったりすると、恫喝されたり暴言を吐かれたり、ということもあるようです。そうなると学会などで教授に会ったときにあいさつもできなくなり、その後の医師人生にマイナスの影響をもたらしかねません。退局については冷静沈着な行動が必要なのです。
退局したらバラ色の人生となるか?
大学医局というのは基本的に組織上の縛りが大きく、派遣先がどこになるのかわからないという不安定な環境にあります。ただ専門医を取りたい、学位を取りたい、一定の技術を学びたいというモチベーションの下、理不尽な思いを持ちながら一定の年齢まで過ごす期間となります。それゆえ退局できたら給与は上がる、当直などの夜間勤務は少なくなる、教授とのストレスも消えるなどの希望は自然と大きくなります。実際に求人情報を見ても、“週4日、当直なし、1500万円”なんていう求人広告が目についたりします。
ただし条件がよいということは、何かしら落とし穴があることも多いのです。大学医局においてもメリット・デメリットがあるように、医局を出た後の一般の病院においても良い点、悪い点があります。
次のコラムでは、医局を出た後の医師の転職事情についてお話ししたいと思います。
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