中国高速鉄道が弱みの安全性を補う"奇策"

大陸横断する「旅客・貨物兼用」列車の構想も

大陸横断高速列車の模型(記者撮影)

「我が国の高速鉄道は時間にも正確で、2015年の定時発車率は98.8%、定時到着率は95.4%でした」「1日400万人、これまでに累計50億人が高速鉄道を利用しました」といった説明もあった。まるで、定時運行・大量輸送という新幹線のお株を奪ったかのようだ。

国外に目を向けると、着工の遅れが伝えられるインドネシア高速鉄道について、周氏は「順調に進んでいる」と言い切った。また、同社が受注したモスクワ―カザン(タタールスタン共和国)間の高速鉄道は建設がスタートし、ブダペスト―ベオグラード間の高速鉄道は2015年12月に地鎮祭が行なわれたという。このほかにもマレーシア―シンガポール間、英国高速鉄道、米カリフォルニア高速鉄道の3つを関心のある高速鉄道案件として挙げている。

貨物列車の現実的な問題点

中国には、中国西部から中央アジア経由でヨーロッパと結ぶ「一帯一路」という経済構想がある。この構想に基づき、すでに中国16都市と欧州8か国12都市の間をコンテナ貨物列車が走っている。

貨物列車の長所は航空輸送より安く、海上輸送よりも日数がかからないことだ。中国からヨーロッパに輸出されるIT機器類はいままで航空便が使われていたが、最近はその多くが鉄道貨物に切り替わったという。

今年5月には武漢―フランス・リヨン間で貨物列車の営業運転が開始された。中国からフランスへは電子部品や機械類が積載され、フランスから中国へはワインや農産物などが積載される。

中国鉄路は中国―ヨーロッパ間をさらに多くの都市とつなぎ、定期便の本数を増やしたい意向だ。ただ、実際には課題も少なくない。「中国からヨーロッパに向けての荷物はたくさんあるが、ヨーロッパから中国への荷物が少ない。この点についてはヨーロッパでPR活動を進めており、解消に向かいつつある。もう一つの問題は、貨物列車がさまざまな国を通過する際にフィーを取られてしまう点。積み重なると結構なコストになる。現在こうした国々とフィー引き下げ交渉中だ」(周氏)。

貨物列車を成功させた後に中国はさらに驚くべき計画を描いている。それは、ヨーロッパと中国の間を高速で走る旅客列車、すなわち「大陸横断高速列車」の運行である。

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