「投資マンションにカモられた人」が見た地獄 勧められるがままに買ってはいけない

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ただ、「さすがに、そうそううまい話はないのでは」と不安になり、ネットなどで投資マンションのことを調べてみると、該当の物件は注意すべき項目として当てはまることばかり。不安でたまらなくなり、仕事にも支障が出てきてしまったため、これ以上冒険はできないと不動産業者に連絡。かなりキツい事をいわれたものの、2時間以上の電話のやりとりでなんとか追加の3戸目の物件は断った。「そんなの、あり得ないでしょ」と思う人も多いようですが、実はこういう人は、結構いる。

医者は特に狙いやすい

不動産業者の営業マンから狙われやすい職業の一つは医者だ。「高収入なので税金が高いですよね? マンションをローンで買えば税金は半分以下になりますよ」「自己資金はいりません」。こうしたトークに乗せられ、普段の勤務が忙しすぎてあれこれ考えるのが面倒になり、「プロに任せよう」と判断してしまう。ところが、いざフタを開けてみたら節税どころではなく、たいへんな状況に陥ってしまっている場合がほとんどだ。

ある病院に医師として勤務するBさん夫妻は、2人で7戸の投資用マンションを所有していた。Bさん夫婦はいずれも30代半ばで、物件は節税を主な目的と称してそれぞれ独身の時と結婚後に購入した。厳密な収支計算をしてみると、Bさん自身が年間35万円、奥さまは同72万円の持ち出し、つまり赤字になっていた。

奥さまが所有していた物件の中で、最も損をしていたのがある関西圏の物件。購入時3200万円程度のファミリー向けの3LDKのマンションでありながら、投資用として販売されていた物件でJRの最寄り駅からは徒歩2分。とはいえ、1時間に3本くらいしか列車が来ないローカル線であり、入居状況は芳しくなかった。この物件だけで年間35万円の損が出ていた。

Bさん夫婦は物件の売却を順次進めている。ただ、購入時に1500万円程度だった物件が、900万円程度まで下がっているケースもあり、損切りにはかなりの金額を自己資金で補てんする格好だ。こうした医者の中には複数戸の物件を買わされているケースも多々あり、中には10戸以上という例もある。

私が知る中でも、投資用マンションを8戸購入し、それも購入代金の99%がローンという医者がいる。全部で2億円以上の借金をして、年間で数百万円の赤字を出している。それでも不動産業者は「もっと買ったほうがいいですよ、○○先生なんかも購入したので大丈夫ですよ」と買いをあおる。購入した物件すべての全体像を絶対に明かされないようにするため、巧みなトークで最後の最後までカネを引っ張る業者がいるから恐ろしい。

独身の「おひとり様」が格好のターゲットになるケースもある。中心は35〜45歳のサラリーマンとOL。男性より女性のほうが真面目で貯蓄も多いため、狙われやすい。例えば、「婚活」と称して不動産会社の社員が暗躍して独身者に営業をかけたケースがあった。

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