「東京vsロンドン」空港鉄道はどちらが便利?

英国2大空港は4割超が鉄道やバスを利用

その理由は、片道27ポンドの高額な運賃と、パディントン駅の立地であろう。30分以内に市内へ辿り着けるとはいえ、27ポンド(大人普通運賃、以下比較のため全て同じ)という値段はあまりに高額だ。パディントン駅の立地も問題で、市内全体で見れば西側の外れに位置するため、中心部へは結局駅から地下鉄やバス、タクシーを利用することになる。運賃に関しては、ネット上で事前手配すれば割引になる特別運賃もあるが、日付が限定されるうえ、変更・キャンセルができないため、予定が完全に確定しないと購入しづらい。

ヒースローコネクトは、運賃はヒースローエクスプレスの半額以下となる片道10.20ポンドで、所要時間も約30分だが、やはりターミナルがパディントン駅なので、その先の乗り換えが必要になってくる。ただし、日本人駐在員が多く住むイーリングなど、途中駅に停車するので、沿線に訪問地がある人にとっては利用価値がある。

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英国における空港アクセスのパイオニア、地下鉄ピカデリー線。所要時間は掛かるが、市内中心部へ乗り入れ、利用者数も多い

地下鉄ピカデリー線は、所要時間は50分以上掛かるが、片道6ポンドと非常に安いことと、市内中心部の主要な地域に停車することが、18%のシェアを獲得している最大の理由だろう。もし、オイスターカード(ロンドンの公共交通用ICカード)を購入すれば、運賃は5.10ポンドとなり、ラッシュ時間を過ぎた毎日9時30分以降は、なんとわずか3.10ポンドで移動できるのだ。

ただし、間もなくこの状況にも大きな変化が訪れるだろう。現在、パディントン駅から市内中心部、オクスフォード・サーカスやトテナムコート・ロードなどを経てストラットフォードなどを結ぶ新路線、クロスレイルの建設が進められている。クロスレイルへは、現在のヒースローコネクトが乗り入れる形となり、都心部から空港まで乗り換えなしで結ばれる。クロスレイルは、女王陛下へ敬意を表し「エリザベス線」と命名されることが決定しており、2018年の開業が今から待ち遠しい。

鉄道アクセス充実のガトウィック

■ガトウィック空港

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ロンドン市内を縦断し、南はガトウィック空港、北はルートン空港へ接続するテムズリンク。路線改良が進められ、新車も投入されている

ロンドン第2の規模を誇るのが、ガトウィック空港だ。同空港の特徴は、公共交通機関の利用者が非常に多い点で、2012年の統計によると45%が公共交通機関を利用している。

鉄道とバスの比率についての記載はないが、バスはロンドン市内への1路線を除いて鉄道で直接接続されていない都市を中心に路線が設定されており、その路線数を考えた場合、鉄道利用者が大半を占めるものと思われる。

ガトウィック空港には、ロンドンのヴィクトリア駅へノンストップで走るガトウィック・エクスプレスの他、同駅まで途中いくつかの駅に停車するサザン鉄道、そして町の中心を縦貫し、ユーロスターの発着駅セントパンクラス駅を通って、後述するルートン空港へ至るテムズリンクなどが発着する。また、サザン鉄道およびテムズリンクには、ロンドンブリッジ駅へ発着する列車も運行されている。

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