自殺を目撃する可能性が高い駅はどこなのか 新小岩駅や国立駅の目撃率は平均の5倍
鉄道ユーザーにとって最も恐ろしいことは、事故に巻き込まれることだろう。ただ、ホーム上で人が列車に飛び込む光景を目撃してしまうことも、恐ろしいことの一つだ。列車がホームに入ってくるタイミングで、隣に立っている人や向かいのホームにいる人が、突然線路に飛び降りるかもしれないというのが、残念ではあるが、いまの日本社会だ。
JR東日本によると、新小岩駅から総武線に乗る人の数は1日平均7万2148人(2014年度)。単純計算で1年間に2633万4020人となるが、過去10年間の鉄道自殺の傾向から、乗車人数に対して2~3人が同駅で自殺する――。そんなことが駅別の乗車人数と鉄道自殺数の集計からわかった。
編集部が各都県の統計などをもとに集計した東京・神奈川・千葉・埼玉の主要路線の2014年度駅別乗車人数データと、国土交通省が鉄道会社の報告をまとめたデータ(2005〜14年度)を集計した。
1000万分の1の確率で目撃してしまう
新小岩駅から乗車する約1000万人に対して、同駅で自殺(未遂を含む)が1件発生する割合だ。集計対象とした602駅の「平均」が乗車人数5000万人に対して1件の割合だったのに比べて5倍高く、1日あたりの平均乗車人員が5万人を超える駅では、乗車人数あたりの自殺件数トップだった。ほぼ同水準でJR中央線の国立駅が2位に入った。
これは、鉄道自殺を目撃してしまうリスクが、平均的な駅の5倍であることを意味する。
国交省のデータでは、新小岩駅で起きた自殺は10年間に27件。この間の乗車人数は、冒頭に書いた年間人数を10倍にして2億6334万人とした。あなたが新小岩駅のホームで列車を待っているときに、隣にいるひとりが自殺する可能性がおよそ1000万分の1の確率である、ということだ。これを、低い割合だと思うだろうか?
無料会員登録はこちら
ログインはこちら