「親のカネ」を把握しない人はいずれ後悔する 話の切り出し方と本音の引き出し方

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おカネのことを聞き出すには、ずばり「仲よくなること」。身もふたもないかもしれませんが、残念ながら答えはこれだけだと思います。普段から関係性が構築できている親子なら問題ないと思いますが、

・疎遠であまり会話がない

・気が合わない

・会うとケンカになる

こんな親子関係のみなさんは、どうしたらよいのでしょう。

親を“取引先”だと思い、冷静に対応しよう

それは、親をビジネスの“取引先”だと思うことです。苦手な取引先でも、大きなおカネが動く商談相手なら、あなたも感情的にならずにどうやったらうまく話ができるか知恵を絞りませんか? 親にある程度の財産があるなら、自分の手元に入ってくるチャンスかもしれない。逆に借金があるなら、早めに手を打たないと自分が支払うはめになる。そう考えると、会うたびにケンカしている場合ではありません。相手を取引先やスポンサーだと思い、自分が大人になって冷静に対応しましょう。

おすすめの話の切り出し方は、

「友達の親父が不動産で揉めて大変だったらしいよ」

「○○ちゃんのお母さん、相続争いで疲れちゃったんだって」

「死亡すると銀行口座が凍結されて大変みたい」

と、第三者の視点で話題をもち出すことです。すると親も「そうか、うちもそろそろ準備しなきゃな」と聞く耳を持つでしょう。

親からおカネの話を聞き出すには「仕事がいちばん楽しかったのっていつ?」「いちばん稼いだのは何歳?」と働いていたときのことを聞くのもよいですね。なんとなく生涯賃金がいくらくらいなのかを推察できます。どれくらいお給料をもらっていたのかを聞ければ、おカネの話を振りやすくなり、資産の把握にもつながります。

また、親世代は仕事人間だった人が多く、仕事の話が大好き。仕事の悩みを打ち明けると、喜んで相談に乗ってくれます。「仕事に対する感覚がちょっと古い……」なんて感じるかもしれませんが、その価値観の違いを楽しむくらいの気持ちでいられるとよいですね。

私の実家は中華料理店を経営していて、結婚前の2年間、親と一緒に働きました。その経験で、仕事への考え方や情熱を知れたこと、苦労を共にできたことをとても感謝しています。幼いころは「なぜうちは休みがないんだろう?」「なぜ知らない人が家によく泊まっているんだろう?」と思っていましたが、一緒に働いてすべてがわかりました。

経営者には休みがないこと。終電を逃したお客さんを気のいい両親は家に泊めていたこと。仕事に対して、何を大切にしていたのか、どんな仕事人だったのかを知ることは、親を理解する大きな鍵になります。一緒に働ける機会は少ないと思うので、せめて仕事の話を聞いてみませんか? 昔は、親は働いて当然と思っていたけれどあらためて、親の偉大さ、懐の深さを感じるかもしれません。それはきっと、あなたと親の距離が少し縮まる瞬間でもあるのです。

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