「親のカネ」を把握しない人はいずれ後悔する 話の切り出し方と本音の引き出し方
おカネにまつわることは、父親、母親どちらにも確認をとりましょう。これは私の苦い経験によるものです。以前、母に「パパのゴルフ会員権、処分しておいて」と頼まれて売却したときのこと。後から父に「ひとこと相談してほしかった」とがっかりされたことがありました。
もう数年前のことですが、今でもよく言われます(笑)。本当に大切だったのでしょうね。人によって価値の“ある”もの、“ない”ものはまったく異なることを痛感した出来事でした。
夫婦で意思の疎通ができていないことも多いので、どちらか一方から言われても、ふたりの合意と思わないほうがよいでしょう。母親から言われたことは父親に、父親から言われたことは母親に、念のため確認するのが無難です。お互い内緒で、株をやったり、へそくりしていたりすることもあります。夫婦生活も長いと、一定の隠しごともあるものです。
ただ、親の資産の全体像を把握しておきたい子どもの立場からすると、両親の秘密は知っておきたいですよね。それぞれに
「お母さんに内緒で銀行口座とかもってないの?」
「お父さんに内緒のおこづかいってあるの?」
とこっそり聞いてみましょう。同性の場合は、温泉で背中を流しながら聞いてみると、案外ポロッと本音が飛び出すかもしれません。
ときどきおカネの問題を子どもに頼る親がいます。たとえば、
・おカネを貸してほしい
・借金を肩代わりしてほしい
などです。
実際、何かにつけて親の買い物の支払いをしている人や、「親孝行できなかったから……」という負い目があるからか、親の死後、親の借金を返済し続けている人が多くいます。
すべてをやる必要はない
子どもだからといって、親に頼まれたことをすべてやる必要はありませんよ。特に親の借金は子どもの責任ではありません。独立した人間なのだから、断ってもよいのです。もし援助するなら、いくらまでおカネを出せるのか、あらかじめ決めておきましょう。
確かに、親に「できない」と言うのはつらいこと。親も、子どもを信頼してお願いしているのに……と傷つくかもしれません。そんなときは、どんなことならできるのか可能性を探って、「できない」ではなく「これはできるよ」と言えることを探してみてください。たとえば「(おカネは出せないけど)入院の付き添いならできるよ」。こんな感じですね。できないことをわざわざ口に出して伝えるよりも、できることを教えてあげる。そうやってお互いの距離感を縮めていけるとよいですね。
「親とおカネの話をするなんて不謹慎だ」と思う人もいるかもしれません。しかし、何も話してこなかったことが自分を苦しめ、大切な人も傷つけるかもしれません。「話しておけばよかった」と後悔しないように、親が元気で生きているうちにこそ、話して決めておきましょう。
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